黒魔術-Dark Majic- /Part4 復活のシジルさん
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させる。そして悪魔の影は、写真に映った人間を消し去ってくれるというのが大まかな流れだ。
しかし、その写真に写されていたのは、悪魔が先ほど告げた通りキュルケではなかった。
ルイズにハルナ、シエスタ、アンリエッタ、クリス、ティファニア。いずれも彼らにとってキュルケらとの因縁とは関係性の薄い者たちだった。
ようやく言うことを聞いた彼女らを見て、悪魔は落ち着きを取り戻し、そして不気味な笑みを浮かべた。
「あと一人…我が影が一人を取り込みさえすれば…!!我は再びこの地球を恐怖と絶望で塗りこめられる!!」
トネーたちの儀式によって、悪魔の影はこの日も夜の街に現れた。
悪魔の影がその目に映したのは、サイト一行の姿。目から邪悪な気を発し、悪魔は彼らを、キュルケをさらおうとした、残り一つの五芒星の頂点の地点へと誘導する。
そしてサイトたちがその地へ踏み込んだところで、彼らのすぐ目の前で姿を現した。
「か、怪獣!?」
突然現れた怪物に、ルイズは悪魔を見て声を上げ、悪魔のおぞましさに青ざめた。
「どういうことだ!?奴はキュルケを狙っていたのではなかったのか!?」
クリスは反射的に、刀を入れている竹刀袋の紐を説いていたが、予想外の事態が起きたことで動揺を露にしていた。
「まさか…私たちの行動が悟られていた…!?」
「おい、それってもしかしてタバサに何かあったってことか!?」
アンリエッタのその予想は的を射抜いていた。タバサが、女性教師の姿をした悪魔に気づかれて捕縛されてしまったことで、裏で人々を守るべく行動していたアンリエッタたちの動きを読み取られてしまったのだ。自分を邪魔するものと、その関係者として、マークされてしまったのである。
「何かって、ちょっとサイト、あんた何を」
悪魔が真っ先にターゲットに選んだのは、ティファニアだった。悪魔の力が、見えない手で掴むように睨みを効かせたところで、サイトが叫んだ。
「逃げろ!」
サイトたちは悪魔の反対方向へ逃亡を図るも、それはできなかった。悪魔の視界にテファが映ると、彼女の体が宙へ吸い寄せられた。
「きゃ!?」
「テファ!」
手を伸ばすが既に届かない場所まで吸い寄せられた。一番早く動いたのはクリス。
「フライ!」
彼女は竹刀袋から刀を出し、ティファニアの飛ばされた方へと高く飛んだ。空を飛ぶ魔法によって、辛うじてテファを受け止め、彼女をそのまま〈レビテーション〉の魔法でゆっくり地上へ下ろした。
「ティファニア、怪我はありませんか!?」
「は、はい…!」
地上で、降ろしたテファが無事仲間たちと合流を果たしたのを見てほっとするが、サイトが再度叫んだ。
「クリス、後ろ!」
「!」
クリスが振り返った瞬間、悪魔の幻影がクリスに向けて手招きし、今度はクリスが吸い寄せられ始めた。
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