第6章:束の間の期間
第196話「試行と目覚め」
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でした」
邪神イリス。名前からはどんな存在が想像がつかない。
それが優輝達の印象だった。
「その力は、神界の神すらも洗脳してしまう程です。その力を以って、一度邪神イリスは神界を支配しようとしました」
「神、すらも……」
帝がその言葉を聞いて、真っ先に連想したのは神夜の魅了の力だ。
優輝から聞いた話でしかないが、自分を転生させた神も魅了されていたのだから。
関連性を疑うのもおかしくはなかった。
尤も、今はそれ以上に重要な話だ。帝はすぐに思考を切り替えた。
「当然ですが、他の神がそれを許しません。善神と、便乗しなかった悪神も協力し、邪神イリスを止めようとしました。……これが、かつて神界に起きた大戦であり、貴方達転生者を生み出してしまったそもそもの発端です」
「えっ!?」
「ど、どういう事だ!?」
これには、聞き返さずにはいられなかった。
まさか、自分達の転生がここで関わってくるとは思わなかったからだ。
「転生の際、聞かされませんでしたか?貴方達の事に関する書類を破いてしまったために、死んでしまったと」
「そ、そういや……」
「……言っていたわ……」
各々が、当時の事を思い出す。
なお、司は覚えていないため、椿や葵と共に蚊帳の外だった。
「……まぁ、そんなのは誤魔化すための方便です。ソレラさんならともかく、天廻様や、サフィアさんがそんなドジをするはずがありませんし」
「何気にディスってないか……?それに知らない名前が……」
「ソレラさんはよくドジをしていたので。ちなみに、天廻様は緋雪さんを、サフィアさんは奏さんを転生させた神です」
「緋雪と私を……あの時の……」
奏は、自分が転生する時に会った神を思い出す。
確かに、書類云々の話をしていたが、結局それは嘘だったのだ。
「実際は、大戦の影響で他の世界の魂の循環に異常が生じ、その際に本来の寿命や死期と違うタイミングで亡くなった方を転生させていました」
「そういう事だったのか……」
確かに、転生させる事が出来る神の世界で起きた戦いの影響だなんて言われるよりも、テンプレのように書類云々で転生させられる方が、死んだ事実としては軽いものだ。
……理不尽に死んだ事には変わりないが。
「話が逸れていましたね。大戦は、多くの傷跡を残しましたが、一人の神とその眷属の犠牲で、邪神イリスを封印した事で終結しました」
「大戦……と言う割には、死んだ神様が少ないような……」
地球にある神話でも、死んでしまう神は多い。
だが、祈梨の話だと、一人の神とその眷属以外は死なずに済んだように聞こえた。
「はい。神界の神々は滅多な事では死にません。そもそ
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