第6章:束の間の期間
第196話「試行と目覚め」
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た祈梨の目は、今までの優しそうなものと打って変わっていた。
追い詰められたように、真剣で、恐れも孕んだ眼差しだった。
「な―――!?」
その返答に、まず声を上げて驚きそうになったのは帝と神夜だった。
尤も、優輝以外も大差なく驚いていた。
「ありとあらゆる世界……それは、この世界のみならず……」
「貴方達転生者の前世の世界もです。神界は原則的にどの世界、平行世界も観測が出来るようになっており、今回の戦いでは、その特徴を通して全ての世界に干渉されてしまいます」
「……規模が大きいね……」
理解はできる。
しかし、その話の規模の大きさに、葵は信じられずにそう呟いた。
「信じられないのは無理ありません。ですが、事実です。……既に、この世界も何度か干渉を受けていますので」
「まさかとは思うが、あの“揺れ”は……」
「さすがに話が早いですね」
感心したように、祈梨は言う。
そして、それは肯定の言葉でもあった。
「一度目の“揺れ”で、この世界と神界の境界が壊されました。そして、二度目の“揺れ”は、私達が逃げる際に世界の壁に穴を開けた事で起きました」
「世界規模の干渉……!通りで、物理的にも概念的にも、空間的にも該当しない“揺れ”だったのね……!」
祈梨の説明に、椿が納得したように声を上げた。
次元世界をも跨いで起きた“揺れ”は、神界での戦いが原因だったのだ。
「干渉はそれだけではありません。おそらく、一度そちらからは干渉出来ない襲撃者がいたはずです。それと、その星の過去にあった災厄を再現する装置が」
「っ、もしかしてあの優輝君に似た男と、パンドラの箱……!」
「ああ、あれにはそう名付けたのですね」
判明し、繋がった。
つい先程まで手掛かりがなくなり、全く分からなくなっていた事が。
あっさりと、祈梨の言葉で判明した。
「装置……か」
「はい。詳しく説明したい所ですが……先に本題を済ませましょう」
どういったものなのか、詳しく知りたい優輝。
だが、まずは本題でもある神界での戦いについて、祈梨は説明する。
「確か、神界で戦いが起きたって……」
「はい。……どこから話すべきか……」
根が深い話なのか、祈梨はどこから話すべきか一考する。
優輝達を一瞥し、最後に優輝を目に留めて、どこから話すのか決めた。
「事の発端、全ての始まりは一人の邪神が原因でした。その邪神は、“邪”とつくだけあり、神界でも屈指の“闇”の担い手です」
「邪神……」
「はい。神界にはありとあらゆる神がいます。善神だけでなく、悪神すらも。その中でも、邪神“イリス”は最も強い“闇”の力の持ち主
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