暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第196話「試行と目覚め」
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
にその違いを近くするのは、労力に見合わないんじゃないか?」

 大人しくしていた神夜が呟くように尋ねる。
 それに対し、優輝がまず前提として考えている事が当てにならないと言う。

「って事は、手詰まりかよ!?」

「……そうか……」

 帝が驚き、神夜は再び傍観に戻る。
 神夜は、今までの事が間違いだった事もあり、ほとんどの行動が消極的になっていた。
 そのため、お互いに刺激しないように大人しくしていた。

「……感覚……漠然となら、わかるのかしら……?」

「奏ちゃん?」

 その時、奏が呟くように発言する。

「暫定的に言っていたとはいえ、“格”が違うのは、何となく分かっていたわ。雰囲気と言うか、そういうので自分とは違うと……違うかしら?」

「あ……確かに。あの時襲撃してきた敵も、後神降しした優輝君も何となく違うって……」

「あー、確かに人間と転生時に会ったあの神様とじゃ、違うってわかるなぁ……」

 感覚と言うよりも、本能に近い。
 そんな感じで、“格”と言うものを感じ取っていた。
 それを司達は思い出す。

「……でも、そんな漠然とした感覚で……ううん、これしかないんだよね。だったら、試してみるよ。えっと……」

 具体性なんて一切ない、感覚だけでの力の行使。
 成功するとは思えないが、少しでも成功率を上げるため、司は祈る。
 頭に思い描くのは、神降しをした優輝、以前襲撃してきた男。
 また、他にも何かに乗り移られていたなのはと奏と……

 ……覚えのない、自分(天巫女)に似た女性。

「ッ……!?」

 一瞬脳裏を過ったソレに、司は困惑して祈りが中断される。

「どうしたの?」

「……う、ううん。もう一回やり直すね」

 椿に何事か心配され、司は気を取り直してやり直す。
 さっき思い浮かんだ女性の事は、気のせいだと思って。

「(っ、また……!)」

 だが、またもやその女性の姿がちらつく。
 姿が朧気なせいで、漠然と自分(天巫女)に似ているとしか分からない。
 そして、それ以上になぜ記憶にないのに思い浮かぶのかが不可解だった。

「(集中……!)」

 それでも、集中しなければ。
 そう思って、司は祈りに専念しようとする。

「(思い出す……私達とは違う、“格”の違いを、その雰囲気を、感覚を……!)」

 これが、他の転生者なら、少しはマシだったかもしれない。
 司以外は、皆転生の時に神に会った記憶があるからだ。
 唯一司のみ、その時の記憶がない。
 そのため、わかりやすい対象がいないのだ。
 一応神二人がいるが、今も眠っているために当てにならなかった。

「(ッ……上手く、思い出せない……!)」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ