ローグタウン
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はは、バカかあいつ」
「なんだべ?」
死刑台を眺めていた者達はルフィの盛大な宣言に驚きや嘲笑などさまざまな言葉を発している中、ハクは死刑台に向かい敵と戦いながら考えていた。
羽赫での結晶体でなら死刑台を破壊出来る。でも、ここで赫子を出すということは自分は喰種ですといっているも同然。
もしこの場に喰種のことを知っている人がいて、その人が一味の誰かに喰種の正体を伝えたら私はもう一味にいることは出来ない、そしたらまた1人になってしまう。
人間は弱い生き物だ、他人から伝わった情報でもすぐに信じ今までのことが無かったかのように親しい仲から赤の他人へと変わる。
彼らもまた彼女達と同じように私を見捨てるのだろうか、その時私は……
(人間と喰種は違う、本当の友になどなれはないのだ)
(近寄らないでバケモノ!! )
(いたぞ! 殺せ!!)
(人が生きているのに罪は無いが、喰種は生きてるだけで罪)
(違うの、私は食べたくなんてない。人間しか食べられないなら喰べるしかないじゃん……私だって人間みたく生きたいよ)
「ゾロ、サンジ、ナミ、ウソップ、ハク……」
頭の中で葛藤が続いていたハクは、ルフィの声ではっと我に帰り死刑台へと顔を上げる
「……わりぃ、おれ…死んだ……」
「「ば、ばかなこというんじゃねぇ?」」
ゾロとサンジがルフィの言葉を驚くが、ハクはルフィの表情で驚いていた。
「……笑った?」
人間は誰しも死ぬことに恐怖するそれは喰種だって同じ、それなのにルフィは死が目前に迫っていたにもかかわらず、まるで死ぬことに恐怖を感じず、悔いがないかのような純粋な笑顔。
次の瞬間、空を真っ二つに割いたかのような雷鳴が音を立てて死刑台へと落ち、その光景を目の当たりにしていた全てのものが言葉を失った。
死刑台がガラガラと音を立て崩れ落ち周りに煙を撒き散らす、煙の中から2人の人影が現れた。
「なっはっはっは!! やっぱ生きてた、もうけ」
ルフィは笑いながら麦わら帽子を被り直し、そのすぐそばでは雷に打たれ黒焦げになっていたバギーが横たわっていた。ゾロとサンジは急いで近くに駆け寄る。
「おい、おまえ神を信じるか?」
「バカ言ってねぇで、さっさとこの町をでるぞ。もうひと騒動ありそうだ」
サンジがゾロに聞くが現実的なことを言うゾロ、その後ろからハクがルフィの前に駆け寄った。
「……ねぇルフィ」
「なんだ? 」
「……ごめん、何でもない。それより無事で良かった」
ニッコリと笑うルフィを見てハクはとっさに笑顔をつくる。
「おう!よし、逃げるぞ!!」
「追え!奴らを逃がすな!!」
逃げるハク達を追いかける海軍。
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