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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン4 荒波越える五星たち
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は、荒れ狂う海を縦横無尽に行き来する伝説の漁師。海の力が彼についている以上、魔王の脅威も通用しないでしょう。よって私が破壊対象に選ぶのは、リンクリボー……そして私のフィールドより、ワイルド・ホープ!』」
「ヴァンドラを放置して……自分のカードを選ぶだと?」

 宣言通りに2枚のカードが魔王の力をもって簡単に破壊され、フィールドに再びつかの間の平穏が戻る。だが無論、それだけで終わりはしない。

「『この瞬間に私は、破壊されたワイルド・ホープの効果を発動いたします。このカードが破壊された場合、デッキより次なる演者を1体手札に加えることが可能となるのです。ここでデッキという名の舞台袖より日の当たる場面へと呼び出されるのはこのカード。魅力あふれる魔法のアイドル、魔界劇団−プリティ・ヒロイン!そしてこのヒロインには、この華の足りないフィールドに早速登板いただきましょう!』」

 魔界劇団−プリティ・ヒロイン 攻1500→1800

 コウモリ柄の魔法使い帽に、スカートから延びる2本の足をすっぽり包むハイソックス。緑色の三つ編みを揺らしつつ、いかにも魔法少女といったいでたちの新たなる劇団員がステッキ片手に呼び出される。登場早々に久々に見る大観衆を見回して目を輝かせ、ぶんぶんと大きく手を振りファンサービスに余念のないその姿に、いまだに魔王ルックをバシッと決めたままの背後の団員2人がやれやれと肩をすくめてみせた。

「『それではご挨拶はこれぐらいにして、そろそろ場面を次のステージへと移しましょう。ファンキー・コメディアンのペンデュラム効果発動!私のフィールドに存在する魔界劇団1体をリリースすることで、このターンのみその攻撃力を別の魔界劇団へと移行させます。リリースするのはビッグ・スター、そしてその力を得るのはもう1人の魔王、デビル・ヒールです!ああ、なんということでしょう。恐るべき2人の魔王の争いは、デビル・ヒールが辛くも勝利。敗者ビッグ・スターは、その力全てを吸収されてしまいました!』」

 ビッグ・スターがそのとんがり帽子を上空に放り投げ退場すると、デビル・ヒールがくるくると落ちてきたそれを器用に自らの頭で受け止める。明らかにサイズの合っていないそれをうまいことバランスを取ることで頭上に安定させ、改めて巨体を揺らしポーズを決めた。

 魔界劇団−デビル・ヒール 攻3300→5800

「『そしてこのターンもまた、ペンデュラム・スイッチの効果を発動。今度は私のライトPゾーンより、たった今ひと仕事こなしたファンキー・コメディアンに登場していただきましょう!』」

 彼の右側にあった光の柱がふっと消え、その中央に浮かんでいた肥満体の芸人が突然浮力を失ったことで4本の手をばたつかせながら真下に落ちる。丸々と太ったその体はボールか何かのように
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