ターン4 荒波越える五星たち
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の柱が立ち上る。8と書かれた光の数字の上にはおどけたように4本の手を広げてみせる、黄色い体を丸々と太らせた相方に比べれば小柄な演者。これで彼のフィールドにはスケール1と8が出そろい、一気にレベル2から7のモンスターをペンデュラム召喚することが可能となった。
だが。
「この瞬間に永続トラップ、虚無空間を発動!このカードが存在する限り、互いにモンスターを特殊召喚することが封じられる!」
「『ああっと、これはどうしたことでしょう。これはいかなるアクシデントか、この空間のある限り当劇団の目玉、ペンデュラム召喚を執り行うことができません』」
「余裕ぶっこきやがって……」
当然だ、と心の中で小さく呟く。デュエルモンスターズと演劇を両立させるこのスタイルを確立するまでに、あの子役時代に仲間と共にどれほどの修練を積んできたことか。たとえどんなピンチに陥ろうとも、どれほどアウェーとなろうとも、彼の芝居が揺らぎはしない。そう言い切るだけの自信が、彼にはある。
「『と、あらばこれよりお見せするのは、予定を急遽変更しまして下級モンスターによるソロ演舞と相成ります。ご登場いただきましょう、舞台駆けまわる若きショーマン。魔界劇団−サッシー・ルーキー!』」
ジャンプからの空中縦回転を決めながら着地する、もじゃもじゃ頭にトンガリ帽子を乗せた新たなる演者。その登場にPゾーンではファンキー・コメディアンが隠し持っていたクラッカーを引き、デビル・ヒールがどこからともなく取り出したシンバルを力任せに打ち鳴らす。
魔界劇団−サッシー・ルーキー 攻1700
「『それではバトルと相成ります。サッシー・ルーキーがセットモンスターに攻撃し、今ここにバトルの火蓋を切ろうとしております!』」
鋭い爪を振り下ろし、セットモンスターに突撃をかける。正直なところ、ここは結果がどうなってもいい。破壊できたならばそれはそれでよし、仮に耐え切られ返り討ちにあったとしてもいわゆるひとつのオイシイ場面となる。そしてその一撃は、果たしてモンスターを切り裂いてみせた。
魔界劇団−サッシー・ルーキー 攻1700→??? 守400(破壊)
「『さあお集りの皆さん、拍手をもって勝者の凱旋にお応えしてください!』」
口ではそう言いつつも、目だけは鋭く光らせる。あの1瞬の攻撃の際見えた相手モンスターの独特のシルエット、あのカードには見覚えがある。もしかすると今の攻撃は悪手だったかもしれない、そんな思いが彼の脳を占める。
「そうなるよなあ、当然。特殊召喚を封じられたから、下級モンスターでとりあえず攻撃する……その通りだぜ、もやし野郎。気持ちいいぐらい俺の思い通りに動いてくれてな!俺の墓地にカードが送られたことで虚無空間は自壊するが
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