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提督はBarにいる。
金城提督によるヒアリング調査【裏】
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外出するのに、護衛も秘書艦も無しで移動するなんざ普通有り得ねぇだろうが」

 そう、提督『だけ』を呼び出す為にわざわざこっちは出迎えの艦隊まで用意してやったんだぜ?

「ま、まさか……」

「そうさ。今ごろお前さんの鎮守府にゃ憲兵隊のガサ入れが入ってる頃だ。下手すりゃそろそろーー」

 なんて話をしていた所で、俺の執務机の電話が鳴る。俺はスピーカーホンをONにして、室内に音声が届くようにした。

『お疲れ様です、金城提督』

「おうお疲れさん、どうだい?首尾は」

『バッチリです。艦娘への暴行・傷害に、轟沈の隠蔽、書類の改竄、更に支給された資源の着服と横領まで。証拠はバッチリ抑えました!』

「そうかそうか、仕事熱心な義弟を持って俺も幸せモンだ」

 電話の相手は橘君。ウチの霧島の旦那だ。

『いえ、捜査へのご協力感謝します!』

「いやいや、これも仕事の内さね」

『では、失礼します!』

 そこで通話が切れる。頼みの綱だった親の権力も使えなくなり、不正の証拠も暴かれた。目の前の男は既に提督の資格は無い。ただの犯罪を犯したクズだ。

「ああああああぁぁぁ!ふざけんなああぁぁぁぁぁ!」

 トチ狂ったのか、俺に掴みかかってくる男。襟を掴まれた瞬間、掌底で男の両肘をカチ上げる。バキッと言う音と共に、男が声にならない悲鳴を上げる。

「いだあああぁぁぁい!腕が、腕があああぁぁぁぁ!」

「うるせぇなぁ、ピーピー喚くんじゃねぇよ両腕が折れたぐれぇで。テメェが艦娘達にしてきた事に比べりゃあ可愛いモンだろうが、あぁ?」

「ヒッ……!」

 男のズボンにシミが拡がっていく。あ〜あ〜、みっともないねぇいい大人が。その絨毯高かったんだぞ?弁償して貰うからな。

「テメェは両腕両足もがれて達磨にされてから部下だった艦娘達にくれてやる……位の事をしてやりたいが、憲兵さん達がお前とお話したいんだとさ」

 勿論、ただの取り調べではないだろう。

「まぁ、ご愁傷さまだな」

 そこで男は泡を噴いて気絶してしまった。やれやれ、気が重いぜ。

「まだ残ってますからね?提督」

「予定は後何人だっけ?大淀」

「あと6人です」

「うへぇ」

 提督によるヒアリング調査は、表向き。本当の目的はブラック鎮守府の提督を捕らえる為のトラップだ。さて、気が滅入りそうだが気張るとしますか。





 
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