金城提督によるヒアリング調査【裏】
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ていく音がして、ドアが開閉される音が響く。
『あうっ!はぁ、はぁ、はぁ……』
ズルズルと引き摺るような音が聞こえる。恐らくだが、電が這うようにして動いているのだろう。
『レコーダー……は、守ったのです。バレなかった、の、です……』
ハァハァと荒い息遣い。腹を殴られ続けて呼吸が困難なのだろう。もしかすると、肋骨が折れて何処かの内臓を傷付けている恐れすらある。電が時々痛みに呻いているのが聞こえる。
『ブルネイの、偉い、提督さんがこれを、聞いてくれると聞いたのです。私達は、もう……限界、なの、で、す』
『どうか……どうか、暁ちゃんと、響ちゃん、雷ちゃん……お姉ちゃん達や、他にも沈められた皆や、今も乱暴されている皆の仇を、取って……欲しい、の、です』
録音はそこで途切れていた。
「……だ、そうだが?」
男は誤魔化し切れないと思ったのか、開き直ってタバコをふかしていた。
「あ?そうだよ。あんなチビガキ何人死んだ所で大した事ねぇだろ。大体人間の形した兵器とかキモいだけだろうが」
男はヘラヘラと笑い出した。
「艦娘が人間だぁ?あんなカプセルから生まれてくるクローン人間が俺達と同じだと?ふざけんじゃねぇよ!艦娘は所詮どこまでいったって兵器だろうが!」
「人間のフリして媚売って来やがって、お前らの事なんぞダッチワーー」
「もういい、喋るな」
男の顔面を鷲掴みする。ミシミシと頭蓋骨が軋む音がする。
「いだだだだだ、畜生、離しやがれこのロートルが!」
「喋るな、って言ってんだろうがこのカス。……あぁ、猿だから人間の言葉が理解できねぇのか」
「提督、それはお猿さんに失礼かと」
「そりゃそうだ、猿以下のクズだったなコイツは」
「て、テメェ等俺の親父が誰だか知ってんのか!?」
「知ってるよ?代議士のお偉い先生だろ?」
「そ、そうだ!俺を逮捕したりしたら親父が……」
「あぁ、それでしたら貴方は勘当して一族とは無関係の人間にするから好きにしてくれ、と了解を得てますが?」
「……へっ?」
大淀が取り出したのは、絶縁状と書かれた長ったらしい書面。要約すると、『息子はもう要らないので勘弁してくだちぃ』という内容だ。実はこのオッサンも色々やらかしてて、目を瞑る代わりに息子を生け贄に差し出したってのが本当の所なんだが。……俺は目を瞑るぜ?俺『は』な。数日後に匿名のタレコミが検察辺りに届いてお縄になっても、俺は手を出さない。何せ目を瞑るのが約束だからなー、しょうがないよなぁ(棒読み)。
「そもそも、お前さんはここに来た時点で詰んでるんだけどな」
「……なんだと?」
「よく考えろ間抜け。仮にも鎮守府の長たる提督が
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