猫娘と回想、I・アイランド編
NO.096 回想《1》 I・アイランドへ
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書かれていたメール内容に出久は自然と涙を流す。
きっと、今でも見えないところでは自身の事を中傷している人はたくさんいると思う。
それが怖くてネットを開いて検索することもできないでいる。
しかし、こうして応援している人も少なからずいてくれることに感謝の気持ちを感じていた。
今すぐにでも返信をしたいけど、今はどうしてか嬉しい気持ちが溢れてきていて言葉に詰まるかもしれないから少ししてから返事を返そうと出久は思い、少しの気持ちの和らぐ感じを味わいながらも、出久はまだつい一か月前のメリッサとの出会った場所である『I・アイランド』での出来事を思い出していた……。
…………時は遡る事、夏休みがまだ始まったばかりの時である。
出久はオールマイトに誘われて、専用ジェット機に乗ってサポートアイテムの本場である『I・アイランド』へと向かっていた。
そして海の上に見えてきた建造物を見て、隣の席で寝ているオールマイトを起こすように声を上げる。
「オールマイト! 見てください!」
「んあっ……? どうしたんだい、緑谷ガール?」
「見えてきましたよ! I・アイランド!!」
それで二人はジェット機の小さな窓から覗ける景色を見て、出久はこんな場所に来れる事に至福感を味わっていて、オールマイトは久しぶりに顔を見る親友に対して想いを馳せていた。
「一万人以上の科学者が住んでいて、学術人口移動都市、通称“I・アイランド”に夏休み早々に来れるなんて夢見たいです!」
それでもう喜びが表に出てきているのか尻尾はピンと伸びきっていて、猫耳なんて逆立ってしまっている。
「緑谷ガール、尻尾と耳がすごい事になっているから少し落ち着こうか。……しかし、こうして喜んでもらえると招待した甲斐があるね」
だが、そこで出久は少し俯いたのを見てオールマイトは少し怪訝な顔になるが、
「ですが、本当に僕なんかが着いてきてもよかったんですか……?」
「そういう事か。大丈夫だよ。招待状には同伴者も連れてきていいと書かれていたしね」
「ですが、それって家族とかが普通じゃないんですか……?」
オールマイトの同伴者としてはまだ無名で、しかも学生である自分が着いてきてしまってもよいものなのかと不安になる出久。
オールマイトはそんな不安を吹き飛ばすかのようにある事を言い放った。
「私と緑谷ガールの間には、血よりも濃いもので結ばれているだろう? ワン・フォー・オールという絆で……」
「ッ! はい!!」
それで出久の不安はもうすでに消え去っていた。
頬を赤く染めて嬉しそうに微笑んでいる。
オールマイトはそんな出久の笑みに見惚れそうになっていたが、一度咳払いをした後に、
「それより、緑谷ガールはこれから気を付
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