第82話
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子で制止してゲルドをジト目で見つめ、その様子を見ていたリィンは冷や汗をかいて表情を引き攣らせていた。
「えっと………今までの君の発言やゲルドの予知能力による推測から察するに君はエマやクロチルダさんの関係者か…………?」
「グッ…………ええい、今はまだ妾について語る時ではないと言っておるじゃろうが!ぐぬぬ…………ヌシのせいでリィン・シュバルツァーが感じていた妾の神秘的でミステリーな”いめーじ”が粉々にされたじゃろうが!?」
「えっと………勝手な事をしてしまって、ごめんなさい…………?」
困った表情を浮かべたリィンの問いかけに図星を刺されたかのように唸り声を上げた少女は恨めしそうにゲルドを見つめて文句を言い、少女の文句に対してゲルドは不思議そうな表情で首を傾げて謝罪の言葉を口にし、それを聞いたリィンと少女はそれぞれ冷や汗をかいた。
「そこで謝られると余計に妾が滑稽に見えるじゃろうが!?――――コホン。それよりも、失せ者捜しじゃが。”彼女達”からの預かり物が”すぐ近く”で役に立つ筈じゃ。」
「!!」
疲れた表情でゲルドに指摘した後咳払いをして気を取り直した少女の話を聞いたリィンはエマから預かったペンダントを思い返した。
「それと異界の魔女よ、件の2体は時が来ればちゃんと答えてやる―――が、若輩でありながら予知能力という”ちーと”を使ったとはいえ妾の結界に介入したその魔術の腕前を称賛して、褒美代わりに少しだけその2体の事を答えてやろう。―――”呪われし竜”と”黒き獣”、その2体は遥か昔に起こった”とある一族同士の愚かな争い”によって生まれた女神が人に遺し力の残照じゃ。」
「女神が人に遺した力の残照…………」
一方少女から語られたある事実を聞いたゲルドは呆けた。
「フフ、それではの。行きがけの駄賃に”今回は”少し貰っていくぞ。」
そして少女はリィンに近づいてその場で座り込んでリィンに顔を近づけ
「あ。」
「ちょ、待ってくれ―――」
「待たぬ。」
その様子をゲルドが呆けた様子で、リィンが制止の言葉をかけたが少女は無視してリィンの首筋に噛みついた。するとその瞬間空間は元に戻った。
「…………!?」
「戻ったようね…………」
空間が戻った事にリィンが驚き、ゲルドが静かな表情で呟いたその時
「あら、教官…………?」
「?どうしましたか?」
リィンの様子に気づいたミュゼとアルティナが声をかけた。
「いや―――(………今回は”ちゃんと憶えているのか。”それに何よりも―――)」
「……………………」
答えを誤魔化したリィンは考え込んだ後ゲルドに視線を向け、視線を向けられたゲルドは何も答えず目を伏せて黙り込んでいた。
「その…………以前にもありましたよね?」
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