第82話
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ゲルドの答えに冷や汗をかいたリィンが困った表情をしている中疲れた表情で指摘した少女は気を取り直し、興味ありげな表情でゲルドに問いかけた。
「ゲルド・フレデリック・リヒター・パリエ。私がいた元の世界では”白き魔女”と呼ばれていたわ。」
「”白き魔女”…………」
「ふふっ、まさにヌシのその容貌を顕す二つ名じゃの。それにしても”魔”の存在と切っても切れない関係である”魔女”に何物にも染まっていない意味である”白”の名が付けられるとは変わった魔女じゃの。”彼女達”から聞いたヌシの優しき性格も考えると、ヌシは”魔女”どころかむしろ”聖女”と呼ばれるべき存在かもしれぬな。―――それで?わざわざ妾の前に力を隠すことなく、妾に話しかけたのは何の為じゃ、”理の外”から来た異界の魔女よ。」
ゲルドの自己紹介を聞いたリィンが呆けている中少女は苦笑しながらゲルドを見つめた後表情を引き締めてゲルドに問いかけた。
「”呪われし竜”と”黒き獣”について知っている事を教えて欲しいの。」
(”呪われし竜”と”黒き獣”…………エリゼ達の話にあったゲルドが予知能力で視えた俺達が戦う事になるであろう”未来の敵”か…………)
「!ヌシ…………一体どこであの2体の事を…………なるほど、それも”予知能力”によるものか。――――逆に聞きたい。ヌシは何の為にあの2体の事を知ろうとする?知らぬ方がよい存在じゃぞ、あの2体は。」
ゲルドの問いかけを聞いたリィンがエリゼ達から聞いたある事を思い返している中少女は驚いた後信じられない表情でゲルドを見つめたがすぐに心当たりを思い出し、真剣な表情でゲルドに問い返した。
「―――私が視える”未来”はあくまで”可能性”。それは言い換えれば”決まっている未来ではなくて、避けられる未来。”だけど、私や教官達の様々な”未来の可能性”を見ても、その2体と対峙する未来はどの未来にも存在していたわ。だからせめて、前もって知っておくことでいざ対峙した時の備えての”対策”を考えておこうと思ったの。」
「ほう…………?しかし何故妾にその2体の事を聞こうと思ったのじゃ?」
ゲルドの答えを興味ありげな様子で聞いていた少女はゲルドに問いかけた。
「私達のどの未来にもその2体との対峙との時に貴女は何らかの形で力を貸してくれていたわ。だから少なくても貴女は”敵”じゃないのはわかっていたし、エマさんや私―――”魔女”の武装である”杖”や何らかの魔術を使っていた所も考えると貴女の正体は――――」
「わー!わー!そこまでじゃ!まだ妾がリィン・シュバルツァーに名や正体を明かす時ではないというのに、本人達を目の前で”ねたばれ”をしようとするとは、大人しそうに見えて、とんでもない娘じゃの…………!?」
ゲルドが少女の事を答えかけると少女は慌てた様
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