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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第82話
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……エマやセリーヌがいれば詳しい事がわかったかも―――」
ミュゼの指摘にセレーネと共に苦笑したリィンが答えかけたその時
「!?な――――」
リィンの心臓が強烈な鼓動をすると共にリィンの脳裏に遥か昔の出来事と思われる場面がリィンの脳裏に浮かび、我に返ったリィンが周囲を見回すとその場はまるで時間が止まったかのようにセレーネ達は動きを止めていた。


「ふむ、またも共鳴したか。」
するとその時かつてシュタット大森林で出会った少女がいつの間にか現れた!
「フフ、また会ったの。リィン・シュバルツァー。」

「君は…………フォートガードの樹海で会った。いったい何者なんだ…………?どうして俺のことを知っている?それに今の光景は…………」

「今のは”場”の記憶に共鳴しただけじゃろう。どうもヌシは、その手の記憶と相性がいいみたいじゃからな。―――かつて内戦時、偶然見つけた精霊窟の探索でドライケルスの記憶を見たように。」

「どうしてそれを…………!?」
限られた者達しか知らない出来事を目の前の少女が知っている事に驚いたリィンは信じられない表情で少女に訊ねた。

「妾は何でも知っている、といいたいところじゃが。あいにく遠見ではなく、単に人伝で聞いただけでな。…………言っておくがその気になれば可能じゃぞ?遠見や影飛ばしは、別にヴィータの専売特許でもないしの。」

「え”。」

「とと、口を滑らせたか。」

「――――その口ぶりだと貴女も私達が星見の塔で出会ったクロチルダさんの”影”のように、これから何が起ころうとしているのかを知っているの?」
少女の口から出た意外な名前にリィンが驚き、それを見た少女が気まずそうな表情をしたその時、ゲルドがリィンの隣に来て少女に問いかけた。
「なぬ…………!?”人”の身でありながら妾の時止めの結界の中で動けるじゃと…………!?」

「ゲルド…………一体どうやって…………」
対象者以外の”全て”を止めたはずであるに関わらずリィン以外の存在―――ゲルドが動いている事に少女は驚き、リィンは困惑の表情でゲルドを見つめた。
「この高台を上がる少し前の麓で、今の光景が”視えた”から、予め私の周りの時空間が干渉されないように、私の周りにだけ時空間も遮断する結界を展開していたのよ。」

「え、えっと………魔術についてはあまり詳しくないけど、何気にとんでもない事をしていないか…………?」

「言うまでもなく思いっきりとんでもない事をしておるわ、その女子(おなご)は!―――コホン。それにしても…………今の光景が予め”視えた”じゃと…………?―――よもやヌシが”彼女達”の話にあった”予知能力”という”異能”を持つゼムリアともディル=リフィーナとも違う世界から現れた異界の魔女か?」
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