暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
第82話
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た表情を浮かべ、ゲルドは悲しそうな表情を浮かべた。
「地方軍など、所詮は帝国政府の目こぼしで許される程度の存在だ。ならばせいぜい、ワシや諸侯たちを万全の態勢で守っていればよい。ハッハッハッ、蛮族上がりの男には過ぎた使命というものだろう!」

「それは流石に…………!」

「閣下、バルディアス男爵家はサザ―ラントの誉れ高き武門です。そのような仰りようはどうか控えていただけませんか?それにユーディット嬢―――いえ、ユーディット皇妃陛下はクロスベル帝国のヴァイスハイト皇帝陛下から寵愛を受けている”クロスベル皇妃”です。ユーディット皇妃陛下と親類関係に当たる閣下は皇妃陛下の事を気安い呼び方ができるかもしれませんが、それでもどこかで閣下のユーディット皇妃陛下に向けた言葉が漏れ、それがクロスベル帝国に伝わる事で何らかの問題が発生する可能性は十分に考えられますから、ユーディット皇妃陛下に対するそのような仰りようもどうか控えて頂けませんか?」
バラッド侯爵のウォレス准将に対する暴言にリィン達が驚いている中パトリックが厳しい表情でバラッド侯爵に反論しようとした所をハイアームズ侯爵が静かな口調でバラッド侯爵に指摘した。


「フン…………これは失敬。だが、そうして貴族の誇りなどにしがみついているから時流に乗り損ねているのではないかね?」

「なっ…………!」

「……………………」

「ふむ…………」
バラッド侯爵の驚愕の発言にリィン達が再び驚いている中パトリックは絶句し、ユーシスは目を伏せて黙り込み、アンゼリカは静かな表情でバラッド侯爵を見つめた。
「それに引き換え、ワシは政府と交渉し、”その先”をきちんと見据えている。アラゴン鉄鉱山もフル稼働させ、列車砲も2基も完成させたばかりだ。」

(なっ…………!?)

(あの列車砲が2基も…………)

(そんな話が…………?)
更なる驚愕の事実を知ったユウナは驚き、ゲルドが不安そうな表情をしている中リィンはユーシスに小声で訊ねた。
(………ああ。正規軍に引き渡すらしいが…………)

(それもご自身のエレボニア側のカイエン公爵家当主就任の為なのでしょうね…………)
訊ねられたユーシスの答えにセレーネは複雑そうな表情で推測した。
「――――私は愚かな(クロワール)とは違う!世の情勢を見極めて賢く、迅速に立ち回らぬとな!そういう意味では不愉快ではあるが、”七日戦役”時はオルディス占領の際に大人しくメンフィルに投降して従順な態度を取り、内戦後はクロスベルの好色皇に上手く取り入って”総督”と”クロスベル側の次期カイエン公爵家当主”の地位をクロスベル帝国に認められたユーディットとキュアの行動は四大名門の面汚しである行動ではあるが、貴族としてはワシのように賢く、迅速
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ