第82話
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「アッシュ、敬語敬語。」
「構わん。―――手掛かりがあるとすれば新海都周辺だろうが…………どうも、昨日市内で有益な情報を得たようでな。」
ユーシスは最後に会った時のミリアムの言葉をリィン達に伝えた。
美味しいものを食べたついでにいい情報もゲットしちゃってさー。
「フフ、いかにもミリアム君らしいと言うべきか。」
「ええ、その無邪気さもミリアムさんの武器なのでしょうね。」
ユーシスから伝えられたミリアムの言葉を聞いてリィン達と共に冷や汗をかいて脱力したアンゼリカとゲルドは苦笑した。
「それだけ聞けば十分だ。何かわかったら連絡する。っと、そうか…………これから会議があるんだったな。」
「会議中でも取り次げるようこちらで計らっておこう。」
「ふわああっ…………んっ、なんだそなたらは?」
パトリックがリィン達にある事を伝えるとバラッド侯爵がリィン達に近づいて声をかけた。
「これはバラッド侯。」
「ご無沙汰しています。」
「おお、ハイアームズ候。アンゼリカ嬢もいらしたか。ハッハッハッ!これでめでたく四大名門が一堂に会したというわけかな!」
既にバラッド侯爵が次期カイエン公爵家当主に就任する事が決まっているかのような発言にリィン達はそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「おお、そうだ。ユーシス君、パトリック君。なにやら峡谷方面に准将が兵を割こうとしていたがワシの権限で却下させたぞ。」
「な、なんですって……!?」
「…………複数の猟兵団が入り込み、交戦状態にあると説明しましたが。」
バラッド侯爵が口にした驚愕の事実にリィン達と共に驚いたパトリックは声を上げ、ユーシスは真剣な表情で指摘した。
「フン、峡谷で何が起ころうとも新海都に被害があるわけではあるまい。それに平民共の顔色を窺って点数稼ぎをしている小賢しいユーディットが、その内遊撃士共を介入させて連中に猟兵団を鎮圧させるだろう。確かオルディスに滞在している遊撃士は例の”剣聖”カシウス・ブライトの子供達にして”空の女神”の末裔の一族と聞く。一人一人が一騎当千にして”英雄”と称えられている連中を介入させれば猟兵ごとき敵ではあるまい。ならば領邦会議の期間中は余計な兵力分散は避けるべきだろう。…………どうせ会議中はラクウェルには行けないしのう。」
(ちょっとちょっと、本音が出たわよ…………!?)
(流石にあり得ないな…………)
(皇族や貴族――――上流階級の人達の役目は税金を納めてくれる平民たちを守る事が義務だって、王様だったお義父さんもいつも心がけている大切な事なのに…………)
バラッド侯爵の本音を知ったユウナは信じられない表情で小声でクルトに話しかけ、話しかけられたクルトは呆れ
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