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レーヴァティン
第九十一話 商人達の会合その十
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「築城もはじめる」
「そうしていくわね」
「明日その話をする」
 こう言って実際にだった、英雄は次の日の朝に築城を命じた。まずは彼が言った通り本丸までで最初は御殿を築かせた。
 そして御殿が出来ると十三人ですぐにそこに入った、そうして英雄は旗揚げとこれから島を統一し世界を救うことを高らかに宣言した。
 それからだ、彼は仲間達に天守台築きはじめたそれを見つつ話した。
「あの場所にもな」
「これからとね」
「そうだ、台が完成してだ」
「天守閣も置くたいね」
「あの天守閣をな」
 豊臣秀吉が築かせたそれをというのだ。
「築く、勢力を拡大させるにつけてな」
「そうたいな。ただ」
 香織はこうも言った。
「実は天守閣はなくてもとよ」
「構わないな」
「確かにあれば恰好がつくたい」
 城の象徴となる、それも見事であればあるだけだ。
「遠くまで見渡せるとよ」
「そうだな、しかしな」
「なくてもたい、実際に皇居はそうたい」
 香織は自分達の世界のことから話した。
「江戸時代初期の明暦の大火で焼けてからたい」
「今も天守閣はないな」
「そうたい」
 天守閣を築かせずあえてその分の銭を節約したのだ、天守閣建築は有力な大名に銭のこともさせていたがそれで大名の反発を受けない様にしむしろその分を民衆の救済に回したのが当時の大老松平正之だったと言われている。
「そして福岡城もたい」
「あの城は最初からなかったな」
「そう言われているたい」
 江戸城天守閣普請を命じられその分自分達の天守閣を置けなかったという。
「だからたい」
「なくてもいいな」
「銭がなければたい」
「そうすることも考えだな」
「やはり銭がかかるたい」
 築城の中でも特にというのだ。
「だからたい」
「そこは考え様だな」
「そうたい、けれどたい」
「やはり築いた方がいいな」
「特に大坂城はたい」
 香織も天守台を見ていた、築いている最中だがそれでも巨大なものがその上に建つことがわかるものだった。
「天守閣が必要とよ」
「そうだな」
「まさに天下の名城とよ」
「この世界でもそうなる」
「それならだな」
「出来るだけ建てた方がいいたい」
 こうも言う香織だった。
「そうしていくべきたい」
「そうだな、ではな」
「そこも努力たいな」
「状況を作る」
 天守閣を築けるだけのというのだ。
「必ずな」
「そうしよな、しかしここまで色々あったわ」
 耕平はこれまでのことを思いつつ言った。
「旅に大坂に戻ってからも」
「何かとだったな」
「色々あったわ、魔物倒して街や寺に入って船旅もして」
「ならず者を倒して商いをしてな」
「ほんま色々あったわ」
「そうだな、しかしだ」
「はじまったばかりや」
 まさにとだ
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