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レーヴァティン
第九十一話 商人達の会合その八
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「大坂を拠点としてこの島を統一してだ」
「そうしてですね」
「海の魔神を倒してくれるのですね」
「そのうえで世界を」
「そのつもりだ、そのことは言っておく」
 こう大店の主達に言うのだった。
「いいな、これから大きな戦もする」
「そのことも承知しています」
「そのうえでのお願いです」
「我等にしましても」
「この街をお願いします」
「大坂を」
「わかった」
 英雄も頷いてだ、彼はここで大坂の主となった。すると早速だった。
 自分自身と十二人を中心として大坂を治めていく仕組みを築いた、それはまだおおよそだったがそれでもだった。
 築くものは築いた、それで言うのだった。
「ただ人がいるだけだとな」
「はい、不十分であります」
 峰夫がすぐに答えた。
「仕組みもありませんと」
「だからだ」
「おおよそにしてもでありますな」
「街を治める奉行所や勘定方、寺社奉行や戦奉行を置いてな」
「治めるでありますな」
「そうしていく、だが今の仕組みはな」
 英雄は自分達の屋敷で話した、大阪の主にはなったがまだ彼等の居場所は変わってはいない。
「あくまで今だ」
「だからでありますね」
「そうだ、治める場所が拡大するにつれてな」
 それと共にというのだ。
「仕組むも変えていく」
「そうしていくでありますか」
「江戸時代の様にな」
「ああした仕組みにしていくでありますか」
「そう考えている、この島の人口もわかっている」
 このこともというのだ。
「およそ一億いるな」
「かなり広い、大陸と言ってもいい広さなので」
 良太が言ってきた、今は十三人全員で飲んで食べている。そうしつつの会話だ。
「一億はです」
「いるな」
「それでも広いです」
「西の島も同じ位だ、だがな」
「空に浮かぶ島、浮島の中では」
「二つの島は元々最大だった」
 それぞれそうだったというのだ。
「本来は他にも無数の浮島があり」
「海に覆われる前は広大な幾つもの大陸もあった」
「そうした世界だったな」
「その様ですね」
「そのこともわかっているが」
 しかしというのだ。
「この島のこともわかった」
「一億ですね」
「そうだ、一億の人間を治めるにはな」
 そう考えると、というのだ。
「それなりの仕組みが必要でな」
「江戸時代の様なしっかりとした仕組みが欲しいのですね」
「そうだ」
 だからだというのだ。
「とはいっても江戸時代の人口は三千万で幕府の領土だけを治めていた」
「幕藩体制で」
「江戸幕府は分権だった」
 それも相当なだ。
「幕府と藩の政ははっきり分かれていた」
「しかしですね」
「あの仕組みはいける筈だ」
 江戸時代のそれはというのだ。
「だからだ」
「やがてはでござるな」

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