第四十九話 合格してからその十四
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「いい曲ですよ」
「私がその曲を歌えるの」
「はい、歌ってみませんか?」
「まさか。オペラって外国語だし」
「日本語訳もありますよ」
「よく知ってるわね」
その知識に正直驚きました。
「そこまで」
「オペラのことも勉強してますから」
だから知ってるというのです。
「ドイツ語が原語でして」
「それで日本語訳もあるの」
「はい、それで先輩もどうですか?」
「どんな歌なのよ」
何か気になって阿波野君に聞きました。
「それで」
「よかったら歌詞と楽譜もお渡ししますよ」
「持ってるのね」
「はい、よかったら」
こう私に言いつつです、かんろだいの真正面、かんろだいが一番よく見える場所に座った阿波野君でした。私は彼のすぐ隣に座りました。
それでまずは二人でぱんぱんと手を合わせてです、そこから正座でお辞儀をしてから私が声を出してあしきをはろうて、ちょいとはなし、いちれつすませてを歌ってでした。
お手ふりをしました、それからです。阿波野君はまた私に言ってきました。
「それじゃあ教祖殿や祖霊殿も回りますか?」
「神殿一周ね」
「はい、今日も」
「それじゃあ」
私達は今日も神殿の回廊を一周してそのうえで教祖殿と祖霊殿も参拝することになりました、三年生になってからこうした本格的な参拝が多くなっています。
私はその参拝の中で阿波野君に言われました。
「回廊一周っていいですよね」
「ええ、何か本格的な参拝をさせてもらってね」
私も阿波野君に答えて言いました。
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