第三十話 九州攻めに向けてその三
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「断じてな」
「左様ですな」
「当然島津家の兄弟達もじゃ」
この家を動かしている四人の兄弟達もというのだ。
「蟄居はさせてもじゃ」
「それは暫しで」
「それでじゃ」
「その後で許して」
「それでじゃ」
だからだというのだ。
「天下の為に働いてもらうぞ」
「それでは」
「その様にする、しかしあの家への抑えは置く」
「それは、ですな」
「肥後じゃ」
この国にというのだ。
「やはり前から言っておるがな」
「あの地にですな」
「そうじゃ、確かな城を置いてな」
「そうしてですな」
「抑える、そして西国全体への備えとしてじゃ」
「大坂ですな」
佐久間が言ってきた。
「あの城に」
「多くの兵糧や塩、武具を備えてな」
「鉄砲、そして大砲もですな」
「堺の港には水軍を備えておく」
そちらの備えもしておくというのだ。
「そうしてじゃ」
「いざという時にはですな」
「すぐに大坂から動いてな」
「西国全体をですな」
「抑える、大坂からは西国の何処にもすぐに行ける」
海を使ってだ、これが大坂の強みなのだ。
「だからな」
「大坂城にですな」
「備えておく、東は江戸でな」
「あの地は海もありますが陸ですな」
こう言ったのは羽柴だった。
「やはり」
「うむ、その通りじゃ」
「あの地からですな」
「東国全体にじゃ」
まさにというのだ。
「睨みを利かす」
「そうしますな」
「そうじゃ、そしてじゃ」
「あの城にもですな」
「常に多くの兵糧や塩を置いておく」
そして武具もというのだ、大砲も含めて。
「そうしてじゃ」
「そのうえで」
「東国も備える」
「そちらもですな」
「左様」
まさにという返事だった。
「これまで言っておる様にな」
「そうした備えもしてですな」
「天下を治めるが」
「それは天下の中のことで」
「外は外で備える」
「それが水軍ですな」
「大きな水軍を備える」
そちらもというのだ。
「その為に貿易を湊は限るがな」
「大きく行って」
「そうして儲けていくのじゃ」
「そして明は、ですな」
羽柴はこの国のことをここでも話した。
「やはり」
「うむ、お主は前に唐入りを言ったがな」
即ち明を攻めるというのだ、九州から朝鮮に攻め入りそのうえで女真の地から明に入るというのである。
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