第三特異点『四海終局決戦アルケイデス』
アバンタイトルだね士郎くん!
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自らの体を濡らす血に――否、アステリオスが殺された事の怒りに、女神は復讐者を睨む。
「ヘラクレス……!」
「――私をその名で呼ぶな」
虫酸が走る、と。エウリュアレの怒りを遥かに上回る赫怒の視線が、その呼吸を止めさせる。体が硬直する女神の口を掌で抑え、そのまま掴み上げると、女神はその小さな手でアルケイデスの無骨な手を叩き、必死に逃れようとする。
だがそんな事で逃れられるはずもない。アルケイデスは暫しその美貌を眺め、ポツリと呟いた。ゾッとするほど冷たく、酷薄な声音で。
「生きてさえいればいいのだったな」
そしてアルケイデスはもう一方の腕を伸ばし、エウリュアレの華奢な脚を鷲掴みにすると。
そのまま枯れ木のようにあっさりと、
――女神の脚をへし折った。
掌に遮られ、くぐもった絶叫が、崩れ始めた迷宮の中に響き渡った。
アーサー王伝説の騎士王と、その反転存在。
同じくアーサー王伝説から『鉄』のアグラヴェイン。
別世界出身の間桐桜に宿った湖の騎士。
そしてマシュの中にいる湖の騎士の実子にして世界最高の騎士である純潔。
史実にその名を残す『万能の人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
イスラム教の伝承にある『暗殺教団』の歴代教主の一人、百貌のハサン。
一世紀にて暴君と呼ばれた薔薇の皇帝ネロ・クラウディウス。
ギリシャ神話のアルゴナウタイの一人、アルカディアの狩人アタランテ。
ケルト神話アルスター・サイクル最強の戦士、光の御子クー・フーリン。
無銘の弓兵と暗殺者、聖杯の嬰児。
本物の魔法少女二人。
そして古代イスラエルの伝説のソロモン王を宿したロマニ・アーキマン。
漆黒の鎧姿の人がてきぱきと指示を周囲に出して、髑髏の面をした影達が機材を操作し、資材を運んだりしている。
職員の人達もレイシフトの為のコフィンの最終メンテナンスを終え、レイシフト中の意味消失を防ぐ為にオペレーターとしてモニターの前に座っている。
とにかく慌ただしく、ドクター・ロマン以外のサーヴァントもピリピリしていた。戦いの時が近いのだ。
「……」
伝説上の英雄達。本物の戦闘を知る大人達。その直中にいる自分が凄く場違いに思える。皆が駆け回る中、ぽつんと立ち尽くす事しか出来ない。
濃すぎる面子の中、一際異彩を放つ平行世界の魔法少女二人も、ただただ、ひたすら圧倒されていた。
「あ、あの! わたし達にも、何か手伝える事はありませんか!?」
健気にもイリヤスフィールが近くの人に声を掛けた。それに、職員の女性は困ったように微笑む。足を止めたのは少しだけだった。
気持ちは嬉しい
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