まえばらい
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…」
「それにあそこはミア母ちゃんのテリトリー。意味、わかるな?」
「クソが」
ベートが不機嫌そうに出ていく。
ロキがさいごのページを捲った時だった。
パサ、と一枚の紙が落ちた。
「なんやこれ」
ロキが手に取った紙に書かれていたのは、ヒエログリフ。
<モンスターフィリアの件、貴方が疑っていたから取り敢えずこれを贈るわ。
機嫌を直してちょうだい。
追伸。今度あの子とデートさせてもらうわ>
「チッ…そういう事かいな」
「どうしたんじゃロキ?」
「あの色ボケがぁ…!」
「もらうぞ」
リヴェリアが紙を奪う。
「つまり、グリモアをくれてやるからデートさせろ、という事か」
リヴェリアの呟きにロキが苦い顔をする。
「うーん…ベルなら逆にフレイヤをたらしこんだりしてね」
「笑い事ちゃうぞフィン。ベルがフレイヤを落としてみぃ。あの色ボケと戦争やぞ」
「ベルが悲しむとでも言えばいい」
「なんでそないな楽観的なんや…」
「はは、僕もベルに惚れ込んだ一人だからね」
「掘るなよ」
「そういう意味じゃないよ」
ガレスが紙を手に取る。
「さっぱりわからん」
「そらそうやろ。フィンでも読めん代物や」
ガレスから紙を受け取るロキ。
「どうする。あの色ボケ対策にアイズかベートでも張り付けるか?」
「それならアイズを着けよう。遠征も近いし、ベルと一緒に大人しくしててもらおうか」
「ではアイズとベルを呼び………あ」
「どうしたんじゃいリヴェリア」
「ベル、今日はオラリオを見て回ると言っていたような…」
「「「「……………………」」」」
沈黙。
「だ、大丈夫やろ。昨日の今日やで?」
「「「……………ベルだし」」」
「ベルへの信頼すごいな…。まぁ、ええわ。リヴェリア、アイズに伝えときぃ」
「ああ。そうしておこう」
同日夜
「あ、リヴェリアさん。今日凄く綺麗な女神様と会ったんですよ。」
「ほ、ほう。その女神の名は?」
「えっと…フラウ様って言ってました」
「遅かったか!?」
リヴェリアがベルの肩を掴む。
「ぴぃっ!?」
「ベル。その女神とどこで会い何をしたか全て話せ。いいな?」
「は、はい…」
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