第二章
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が驚いて声を上げたため、ルーファスはそれに答えて結界を少し緩めた。
「君、冗談だ。私くらいならば、君は容易く消し去るだろう…。どうせ解っているんだろう?」
「勿論だ。お前、力を使い過ぎたろ?」
「…その通りだ。」
ルーファスの言葉に、悪魔は外方を向いて返した。どうやら事実のようで、その額には冷や汗が滲んでいた。
「師匠…どう言うことですか?」
ルーファスの後ろへ退避していたヴィルベルトが、恐る恐る顔を出して問い掛ける。
「あのな、こいつの躰は単なる代用品でしかねぇ。それで力を行使すれば消耗も激しくなる。それにも関わらず、結界に圧力掛けたりしてたもんだから、その力を消耗し尽くしたって訳だ。」
「バカですね。」
「ああ、バカだな。」
「?????。」
二人にそう言われ、悪魔はムッとして返した。
「元の躰に戻れば、お前たちなぞ一瞬で消しされるのだぞ!」
「いやぁ…もう躰なんて無ぇだろ?」
「?????。」
余りにも当たり前のことを突っ込まれ、悪魔は泣きそうになっている。
「ルーファス…何だかこいつ、弱っちいんだが…。」
イェンゲンにまで言われた悪魔は、到頭座って膝を抱えてしまった。
何だか可愛い…と思う見た目だが、この悪魔があの"グール"の躰へと戻れば、再び暴れ回ることになるのだ。それは何としても阻止しなくてはならない。
だが、ずっとこのまま…と言う訳にも行かないため、結界を維持しているルークが口を開いた。
「お前、何故お二方が探しているものが見付からないと言ったのだ?」
「そんなの決まってる。探してる場所も探してる物も間違ってるからな…。」
いじけながらそう答える。その答えは、魔術師五人の顔を顰めさせるには充分であった。
「お前、名は?」
不機嫌にルーファスが問う。悪魔はその問いに躰をビクッとさせて言った。
「お…お前に教える必要などない…。」
今にも消えそうな弱々しい声だ。先程までの威勢はどこに行ったのだろう…。
「おい、もう一度聞くぞ?」
そう言いながら、ルーファスは少しずつ結界を縮めていく。
「お前の名は、何だ?」
これではどちらが悪魔か分からないが、悪魔はルーファスの真顔が怖くて堪らず、結界まで縮小され続けては答えるしか術はなかった。
「アルモス、アルモスだ!」
そう答えるや、ルーファスは結界を戻し、ニッコリと笑顔で言った。
「アルモス、汝に命ず。今この時をもって、その器を汝の躰とし、我に従属せよ!」
「やっぱり!」
悪魔…アルモスは悲痛の叫びを上げた。
アルモス…彼は下級悪魔だった。確かに、人間よりはかなり強いが、今のアルモスでは下級の魔術師にも勝てまい。
ルーファスは、膝を抱えて泣いているアルモスの結界を解いた。もうルーファスの道具…と言うよりパ
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