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魔術師ルー&ヴィー
第二章
Y
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思議に思った。ルーファスには及ばずとも、ホロヴィッツとて上位魔術師なのだから。
「よし。そんじゃ、俺は中に行ってくる。」
「何だと!?お前、今の状況を理解してるのか!?」
「分かってんよ。結界内にマルクアーン殿とシュトゥフ殿が入ってるってな。」
「…!」
 それを聞いてホロヴィッツは唖然とした。先の大戦の英雄二人…それが危険を承知で王都に入ったのだ…。
 ホロヴィッツは、自らの実力がルーファスに遠く及ばないことなぞ百も承知している。だからこそ、自身のプライドを棄ててルーファスに言った。
「お二方を必ず救い出してこい。」
「分かってる。お前も堪えてくれよ。」
「これ位、訳はない。」
 その返事を聞くや、ルーファスはその場で移転魔術を行使して消え去ったのであった。
「全く、規格外の男だ。」
 ホロヴィッツがそう溜め息混じりに呟くと、近くにいたアレクも「その通りです。」と言って苦笑したのであった。
 さて、弟子のヴィルベルトはと言うと、彼は南に位置する教会にいた。彼もまた、大結界の一端を担っていたのである。
「もう…師匠ってば、僕にこんなことさせて…。」
 そうぼやくヴィルベルトに、二人の男が苦笑した。そこでヴィルベルトを補佐していたのは、義勇団のティアスとビルスマであった。
「ヴィルベルト様。ルーファス様は、貴方を信頼してお任せになったのです。」
 不服そうなヴィルベルトへとそうティアスがにこやかに言うと、ビルスマもそれにあわせて言った。
「そうですよ。こうして結界が維持されているのが何よりの証拠じゃないですか。」
 そう宥める様に言う二人に、ヴィルベルトは半眼になって返した。
「もし失敗したらどうするんです?」
 そう返されたて、二人の目は游いだ…。
「その反応…どうすれば良いのか分かりません…。」
 ヴィルベルトは眉をピクつかせて言ったが、ふと…西の陣が描かれている部屋から誰かが歩いてきた。
 三人は些か驚いたが、それは大柄な魔術師であった。
「貴方は?」
 ヴィルベルトがそう問うと、その男は直ぐに答えた。
「私はヴィクトール。ルーファス殿の依頼により参った。君はもしや…ヴィルベルト君かい…?」
「はい、そうですが…。どうして僕の名前を?」
 ヴィルベルトは、何とも腑に落ちないと言った風に首を傾げて問い返した。
 だが、ヴィクトールの方が何倍も驚いた様子であり、それを見てティアスとビルスマは顔を見合わせた。
 確かに、最初に会ったヴィルベルトの印象は頼りなく思えた。それよりも正直、この仕事をするには若過ぎると思った。ルーファスがどうしてこんな子供を弟子にしたか解らない…とさえ思ったのであった。
 しかし、戦いの中で彼は師と勇敢に戦い、多くの人々を助け出した。戦いの中では、考えるより先に身体が動く
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