過去話 士郎と桜
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、いや…。」
「まあ、そう言わずに…。」
「桜に触るな。」
桜に手を伸ばそうとした不良の腕を士郎が掴んだ。
「うっ! いてぇぇぇ!」
「おいおい、大げさだぞ?」
「ま、マジいてぇぇぇ! なんちゅうあくりょ…! ぐえっ!」
士郎は掴んだまま不良を放り捨てた。
「お前ら…、俺が誰か知らないって事は、この地区の奴らじゃないな?」
士郎はバキボキと拳をならした。
「えっ…、まてよ…。その赤土色の髪の毛…。」
「おまえ知ってんのか?」
「き、筋肉バカの衛宮って奴じゃねぇか? ほら最近この辺りの不良チームをのしたって…。」
「ま、マジ!?」
「そ、そんなはずねぇだろ。第一、ただの筋肉バカなら、俺達が負けるわけ…、ぐぇっ!」
「バカ、バカ…言うな! っていうか、お前ら鍛え方がたんねぇんだよぉおおおおおおおおお!!」
「ぎゃああああああああああああああ!」
その後、不良達は、筋肉という悪夢を見せられた。(強制筋トレ的な意味で)
「ち、ちくしょう!」
「!」
「先輩、あぶな…。」
「ふんっ!」
「うそおおおお!?」
ぐったりしていたが、起き上がった不良の一人がナイフを取り出し、士郎に襲いかかったが、筋肉を固めた士郎の筋肉に弾かれ、ナイフが落ちた。
そうして、不良達を撃退した士郎だったが…、まだ筋肉魔法が未完成だったため、ナイフが僅かに士郎の身体に傷を付けていた。
「ダメだな…。俺もまだまだだ。」
「あの…手当を…。」
「あ、こんなのツバつけこきゃ…。」
「ダメです! ちゃんと治療しないと…。そ、そうだ…。この近くなら…、私の家…来ますか?」
「ん? いいのか?」
「はい…。」
「分かった。じゃあ、ちょっとお邪魔するよ。」
そうやって、始めて間桐の家に入った。
入った瞬間、士郎は感じた。
「桜…。」
「えっ?」
「この家…、どういうことだ?」
「あの……。」
「ほほう? 蟲の存在を感じるか? 小僧よ。」
「お、お爺さま!」
そこへ現れたのは、とてつもない高齢であることを感じさせるしわくちゃな老人だった。
「あんたは?」
「わしは、この家の当主じゃ。主は、何者じゃ?」
「俺は、桜の……。」
「ほう? おまえが近頃桜に近寄っておる男か。見たところ魔術師と見える。」
「まじゅつし? 俺は筋肉魔法を使うが、魔術を使った覚えはねぇ。」
「ふん。その身流れる魔力と、魔術回路を隠し通せるとでも? しかし…嘘は言っておらんようじゃな。気づいておらんだけか?」
「あ、あの…! 先輩は…!」
「面白い体質をしておるようじゃのう。よくぞ連れてきた、桜。これなら蟲共もさぞや喜ぶじゃろうな
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