最終話 今(現在)を生きる
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してしまい、その後、聖杯の中のこの世全ての悪の母胎となったこと。
それが、聖杯が汚染されてしまった真相だ。
それらの真相は、すべてアヴェンジャー本人から士郎が魂を通じて、夢の中で知ったことである。
そして、凛が、魔術協会と、聖堂教会に、聖杯戦争の監督役であった言峰綺礼の所業と、アヴェンジャーの存在と、それによる聖杯の汚染を伝えた。
魔術協会と、聖堂教会の使者が来て、アヴェンジャーの存在を確認するために、ちょっと士郎の魂を調べたりもした。そしてその存在が確かなことを確認すると、新たな監督役を寄越し、そして聖杯戦争そのものの見直しと共に、開催を無期延期とした。
アヴェンジャーの処分については、冬木の管理者である凛に追々伝えられることになり、それまでの封印についても、実質凛に任された。
なお、アヴェンジャー(この世全ての悪)を自らの魂に封じた士郎を実験材料にしようとする動きがあったらしいとかなかったとか……、それを知った凛と、第四次聖杯戦争を経験していたロード・エルメロス二世が必死に止めて事なきを得たとか……。なにせ士郎の意思(魂)による封印そのものが破綻すれば、再び聖杯にアヴェンジャーが入ることになり、また汚染されるからだ。そうなれば、せっかく汚染が除去された聖杯が、今度こそ世界に災いを振りまくかもしれないのだ。
こうして、士郎の日常は保証された。平和であることが、もっとも魂に負担をかけないからだ。
「遠坂には、でっかすぎる借りができたな…。」
「なーに言ってんのよ。」
学校への登校中に凛とそんな話をした。
「あんたが平和な状態じゃないと…、世界がヤバいのよ? 分かってる?」
「ああ…。分かってる。アヴェンジャーも、とりあえず大人しくしてくれてるしな。」
「士郎さん…。本当にだいじょうぶなんですか?」
「ああ、だいじょうぶだいじょうぶ。なんともないから。」
「それならいいですけど…。」
「ねえ? ところで、いつから“士郎さん”なんて呼ぶようになったかしら?」
「姉さんには関係ありませーん。」
「桜! まだ認めたわけじゃないわよ!」
「いいもーん。二十歳になったら、身内の許可が無くても法的に結婚できますし。」
「くーー!」
フッと笑う桜に、凛は悔しそうに地団駄を踏んだ。
桜も、なんだかんだですっかり強くなった……(?)。
ところで、臓現が死んだことが発覚し、間桐の家は正式に魔術師としては完全に潰れた。
家そのものも、桜の身の上話を聞いた凛が、怒りのままに処分して、住むところが無くなった桜は、そのまま衛宮家に居候することになった。
遠坂の血縁ということで、魔術的に特異体質で魔道な加護がなければな
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