SS24 苦難と幸多き未来と…
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「そうか。……ごめんな。そろそろ帰らないとならなさそうだ。次…、いつになるか分からねぇけど、また会おうな! そんときゃ、俺の筋肉魔法と対決するぜ!!」
「うん! 今度は、桜と一緒に会いに行くよ!」
「待ってるぜ。……じゃあな。」
そして黄金の輝きが、消え失せた。
***
士郎は、ボーッと孔が消えた空を仰向けで倒れた状態で見上げていた。
「ふふふ…、ハハハハハハ! 負けた…、完膚なきに負けたぞ!!」
綺礼のその声で、士郎はハッと我に返った。
そして起き上がり、綺礼を見ると、綺礼の身体がボロボロに朽ちて、塵になろうとしていた。
「この世全ての悪を、己が中に溶かして、封じるとはな…。それで、君は、これより先…、魂が朽ちる時まで、この世全ての悪と運命を共にするだろう。その先に待ち受ける苦難は想像を絶するだろう。その行く末を見てみたいところだが…、残念ながら私にはもうこうして会話する時間すら残されていないらしい…。」
「言峰綺礼…。」
「衛宮士郎……。君の未来に……苦難と幸が多からんことを…。」
首にかけている、十字架に口づけた綺礼の身体が、ついに塵となって風に乗って、消えた。
残されたのは、彼が首にかけていた、十字架の首飾りだけだった。
「士郎!」
「シロウ!!」
そこへ、凛とセイバーが走ってきた。
「遠坂…、セイバー…。」
「綺礼は?」
「……もういない。」
そう言って士郎は、目線を先ほどまで綺礼が座り込んでいた場所…、十字架に向けた。
凛は、綺礼が身につけていた十字架を見つけ、一瞬目を見開いたが、やがて落ち着こうと深呼吸して。
「そう…。」
っと、短く言った。
「シロウ…? あなたの中から、何か邪悪な気配を微かに感じます。」
「分かるか? ……なんでも、この世全ての悪って奴らしい。」
「あんた、なにしたのよ!?」
「いや…その…。」
怒る凛に、士郎を目を泳がせた。
その後、アーチャーとも合流し、何があったのか話した士郎は、三人からメッチャ怒られたのだった。
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