SS24 苦難と幸多き未来と…
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士郎に迷いは無かった。
リミッター解除をして筋肉を膨張させ、綺礼に殴りかかった。
「…ふっ。」
次の瞬間、士郎の左肩の肉が抉れた。
「なっ!?」
「君は最初に出会った時、私を強者だとみていたようだが…。その通りかもしれんな。こうは見えても教会の代行者として人ならざるモノと戦うため、鍛えに鍛えてきたこの身は……。」
スッと綺礼がまっすぐに伸ばした手を見えないほどの速度で突き出した。
そして、次の瞬間、士郎がハッと反応し、横へずれる、その瞬間、胸の横が抉れた。
「こ、これは!?」
「君の筋肉が“面”の力なのだしたら…、私が今繰り出しているのは、“点”の攻撃だ。一点に力を集約させ、その一点のみを打ち、貫く。いかなる強度を誇る宝石でも、その一点を突かれれば、脆い!」
綺礼が、右手から繰り出す“点”の攻撃を連続で繰り出した。
士郎は腕を組んでガードするが、たちまち身体のあちこちが抉れ、激痛に歯を食いしばった瞬間を狙ったのか、綺礼の片膝がガードを下から弾き両腕が上に跳ね上がった。
がら空きになった胸に向かって、綺礼が右手を突いた。
「筋肉ぅううう!!」
「!」
分厚い胸筋に突き刺さった指が根元辺りまで埋まったところで筋肉を固めて辛うじて止めた。もう少し遅かったら、心臓を貫かれていただろう。
筋肉に固められ、押すことも引くことも出来なくなった綺礼に向け、士郎は拳を振るった。
動けぬ綺礼に拳が決まり、士郎の胸に刺さっていた指が千切れ、綺礼が吹っ飛んでいった。
綺礼は、血をまき散らしながら吹っ飛んでいったが、やがて体勢を整え、片膝をついて止まる。
「実に面白い芸当をするのだな。本当にデタラメな身体をしている。」
綺礼のまだ余裕のある口調に、士郎は歯を食いしばった。
一撃で殺す気で殴ったはずなのだ。
すると綺礼は、傍にあった、黒い泥に指が無くなった手を浸けた。
そして手を抜くと、そこには黒い泥によって再形成された指があった。
「おまえ…!」
士郎は直感した。
綺礼は、すでに人間ではないのだと。あれは、人間ではないモノがなせる業だと。
「ふっ…、私が再契約した相手である、アヴェンジャー(復讐者)は、そう簡単には私を死なせんようだ。」
綺礼は口元から流れた血を腕で拭った。
どうやらほとんどダメージになっていないらしい。
……っとなれば、っと士郎は考える。
おそらく綺礼が言う、アヴェンジャーとは、聖杯と深く関わっているのだろう。ならば、綺礼の体内にある聖杯をどうになかすれば…っと考えていると。
「私の中にある聖杯をどうにかすれば、確かに私を殺せるだろう。しかし、どこにあるのか分かるかね?」
見透かしたように綺
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