SS21 散りゆく者達
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。
ここで無理矢理に生かされている者達が、かつて冬木の大災害時に生き残った生存者達であると。
「つまり、餌というわけか?」
アーチャーが眉間にしわを寄せて言った。
「その通りだ。なにせ“彼”はワガママで、まるで私の言うことを聞かんし、ここで搾り取った魂を餌に大人しくさせているのだ。」
「えさ…だと?」
「士郎!」
「この……野郎おおおおおおおおおお!!」
士郎がリミッター解除をして、ピストル拳を放った。
綺礼に当たる直後、その拳の圧を、7枚の花弁の盾が防いだ。
「ロー・アイアス!?」
アーチャーが驚き声を上げた。
それは、アーチャーが使う贋作のロー・アイアスでもなく、本物のロー・アイアスだった。
「…なにをボーッと突っ立っているのだ?」
そこへ、カツンッと音が聞こえ、階段の上から、黄金の鎧をまとった、あの男…ギルガメッシュが降りてきた。
その手に、ぐったりとしたライダーの腕を掴んで引きずっている。
「ライダー!」
「安心しろ。殺してはいない。」
そう言ってギルガメッシュが、ライダーを階段の上から士郎達の前へ放り投げた。
「うぅ…。」
「ライダー、だいじょうぶか?」
「申し訳ありません…。」
「あなたじゃ分が悪…、っ?」
次の瞬間、凛の身体にドスッと衝撃が走った。
「凛!」
「遠坂!?」
凛の腹部を貫くのは、赤い槍。
いつの間にか背後にいたランサーが凛を槍で貫いていた。
「あ……ぁ…!」
「悪く思うなよ。」
そう、すまなさそうに言ったランサーが凛から槍を抜いた。
凛が介抱していたライダーの上に倒れた。
「ランサーーーーーーー!!」
「来いよ…。坊主!」
怒りに震えた士郎がランサーに殴りかかった。
ランサーがすんでのところで拳を避け。
「ゲイ…ボルク!!」
すべての力を集約した槍の一撃が、士郎の胸に向かって突き出された。
「……ハハ…。」
少しの間を置いて、ランサーが疲れたように笑った。
「やっぱ、ダメか。」
ゲイボルクの先端を士郎が掴んで止めていた。
その手からは血がポタポタと垂れている。
「けど…やっとお前に傷を付けられたぜ。」
「そうか…。」
「殺れよ。坊主。でないと、嬢ちゃんが死ぬぞ? なにせ、因果律を死に導く槍で貫いたんだからな。」
「ああ…。」
士郎は、そう返事をすると、拳を振りかぶった。
そして、ランサーの身体の上半身がバラバラに弾け飛んだ。倒れた下半身が、やがて光となり、消えた。
「ごほっ…、ごほ!」
「凛!」
凛が咳き込み血を吐く。ライダーが傷口を押さえていた。
「遠坂! アーチャ
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