SS15 アーチャーとの一騎打ち
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たアーチャーの手を士郎が掴んだ。
士郎がアーチャーを殴る。あまりの威力に、掴まれていたアーチャーの腕が千切れ、アーチャーは血を飛ばしながら吹っ飛んでいった。
「ごほ…、は、ぁ…!」
「トドメだ!!」
「っ!」
士郎が追撃する。
迫ってきた士郎に向け、アーチャーが口から喉からこみ上げていた血を吹き出して士郎の視界を奪った。
「うっ!」
「ブロー…クン……ファン、タズム!!」
百数本に及ぶ武器がいっぺんに投影され、士郎の周りに集まるや否や、爆発した。
その爆発の威力に、戦いを見ていた凛が吹っ飛び転がった。
そして、爆発が終わったあと、世界が戻った。
ボタボタと全身から千切れた腕と口から血を出すアーチャーが、煙がもうもうと舞う光景を見つめた。
「く、はは、ハハハハ…。」
そして狂ったように、宙を見上げ、どこか晴れやかに笑った。
アーチャーが宙を見上げていた時だった。煙が揺らいだ。
「……………………はっ?」
ボンッと士郎が飛び出し、アーチャーに向けて拳を振りかぶったのを、アーチャーは、ぼう然とただ突っ立って見ているしか出来なかった。
そして、腹に大きな衝撃。そして思いっきり喉からこみ上げてきた大量の血を、吐き出した。
「確かに、お前の攻撃は効いた。けどな…、同じ手が何度も通じると思うなよ? 攻撃が通じた頃の俺は、過去の物だ!!」
「…あ……ぁ…。」
アーチャーの腹を貫通するのは、士郎の右腕。
「なぁ、アーチャー。聞かせてくれ。お前は、どうして俺を狙った? お前はなんだ?」
「…ぅ…あ…、さっ…し…の悪い…奴め……。俺は……、お前…だ…。」
「? お前が、俺?」
「あとは……じぶん…で…かん…が、えろ…。」
フッと笑ったアーチャーが目を閉じた。
***
アーチャーは、ふと目を覚ました。
終わった…。っとまず思った。
自分の戦いは、これで終わったのだと。
結局、思考回路が違うだけで、まったく違う可能性へと到達した自分自身には、勝てなかった。
……勝ちたいと思った。それは素直な気持ちだ。
もし……もし、自分がどこかで思考回路があの士郎のように違えていたなら、違った未来を得ていたかもしれない。自分の消滅という自殺のため、別世界の自分自身を殺そうという暴挙に出ることもなかっただろう。
もしかしたら、羨ましかったのかもしれない……。
「おーい。生きてるかー?」
「……………………………………………………っ?」
「だいじょうぶよ。令呪はちゃんと手にあるでしょ? それがある限りは死んでないから。」
アーチャーは、感じた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ