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『魔術? そんなことより筋肉だ!』
SS13 ルールブレイカー
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って言っても抱きしめるぞ?」
「よ、喜んで!」
「桜…。」
 士郎のたくましい腕が、桜を抱きしめた。
 桜は、身を任せ、士郎の胸に手を置き、顔を寄せた。
「先輩…、私……、幸せです。」
「俺もだ、桜。」
「先輩…。」
「桜…。」
 お互いに目を閉じ、顔を近づけようとした。

 ガシャーーーン!

 その時、居間の窓ガラスが突き破られた。
 ハッとして見ると、そこから骨の兵隊達が入り込んできた。
「キャスターか!」

「あら? よく分かったわね。」
「藤ねえ!」
 見ると、キャスターがいつの間にか、寝ていた大河を抱えて首を掴んでいた。
「シロウ! キャスター、貴様!」
 駆けつけてきたセイバーが叫んだ。
「この女の命が惜しければ、動かないことね。」
「てめぇ…。」
「だいじょうぶです、先輩。」
「桜?」

「隙だらけですよ。」

 キャスターの背後に回ったライダーが、キャスターを背後から殴り、大河を奪い返した。
「よくやったな、ライダー!」
「これくらい…、っ! セイバー、後ろです!」
「えっ?」
 ライダーの近くにいたはずのキャスターが、セイバーの後ろにもいた。
 次の瞬間、セイバーに向けて、キャスターが、奇妙な形の刃を突き刺した。
「ぐっ…!?」
「ルールブレイカー。」
「セイバー!」
「ホホホ…。これで、セイバーは私の物よ。」
 キャスターは、そう言い、自身の手に移った令呪を見せびらかした。それと同時にライダーの傍にいたキャスターが消えた。
「なっ!」
 士郎は、自分の右手の甲を確認し、令呪が奪われたことを知った。
「我、令呪をもって命じる。セイバー。我が傀儡となりなさい。」
「ああああ!」
 セイバーが令呪の強制力を受け、膝をついた。
「セイバー!」
「さあ、セイバー! そこの筋肉ダルマを殺しなさい!」
「くっ…!」
 令呪の強制力に操られたセイバーが剣を出現させて、士郎に斬りかかった。
「ふんっ!」
 士郎は腕の筋肉を膨張させて防いだ。
「し、シロウ…、逃げ…。」
「馬鹿野郎! そんなことできるか!」
「ならば…、セイバー! 宝具をもって、殺しなさい!」
「う、ぐ…、うぁあああ!」
 セイバーの剣に光が集まりだした。
「うおおおお!」
「ご、ほっ…!!」
「なっ!?」
 セイバーの鳩尾に士郎が拳をめり込ませ、気絶させた。
「キャスター! 令呪を返せ!」
「ちっ…! こんな狭いところじゃなければ…。」
「ライダー!」
「はい、桜。」
「おまえは、邪魔よ。」
 キャスターが周囲に光の球を出現させ、ライダーと士
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