SS11 必殺!
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士郎は、リミッター解除をし、筋肉を膨張させた。
「シロウ!」
「士郎! 無事? 無事よね…。」
そこへセイバーと、凛が駆けつけてきた。
天馬に跨がったライダーが天へと舞い上がる。
そして、照準を合わせ、光の塊となって突撃してきた。
「シロウ! さが…。」
「必殺……、ピストル拳!!」
時速700キロというスピードで迫ってくるライダーに向け、士郎が放った拳の巨大な圧が、ライダーが跨がる天馬を貫き、粉々にした。
「ば…馬鹿な…。この子が負けるなんて……。」
ライダーは、地上へと堕ちていった。
あまりのことに、誰も彼もが言葉を失った。
「あれ? これ…私の見せ場が…。」
セイバーは、なぜかそう呟き、膝を付いた。
「俺の勝ちだ。慎二。」
「うぅぅ…。」
「兄さん……。」
「さ、桜…?」
「もう、終わりにしましょう…。」
意識を取り戻した桜が、慎二に手を伸ばし、その手に触れていた。
その手の冷たさに、慎二は驚く。当たり前だ、失血と魔力が不足しているのだ。
「慎二、おわ…。」
その瞬間だった。
慎二の身体が潰された。
「えっ…?」
桜の顔に慎二の血が大量にかかった。
「にい、さん…、兄さん? 兄さん…!」
「あーあ、私の出番なかったなぁ。」
「イリヤ!」
慎二を潰したのは、バーサーカーだった。
「だいじょうぶだよ。お兄ちゃん。これでライダーは、自由。偽りのマスターに従う通りは、もうないんだよ。」
「イリヤ…。」
「どうしてそんな顔するの? そうしないとライダーは、令呪で一生さっきの雑魚に従わなきゃいけなかったんだよ?」
慎二が死んだことで、偽臣の書がボロボロと崩れていった。
「にいさん…。」
「あなたが、お兄ちゃんの恋人なんだって? 可愛いね。」
「桜から離れろ!」
「もー、怒らないでよ。せっかく邪魔な雑魚を潰してあげたのに…。」
イリヤは、ぷうっと頬を膨らませた。
「……イリヤ…、さっさとどっか行け。」
「えー?」
「いいから…。じゃないと俺は…。」
「…分かった。」
イリヤは、仕方なくそう言い、バーサーカーと共に去って行った。
あとには静寂。
そして、血の匂いが風に乗ってきた。
「慎二…。」
慎二はもはや形すらとどめていなかった。
桜は、ぼう然と顔を血で汚して座り込んでいた。
慎二との戦いは、バーサーカーの乱入による慎二の死で終わりと告げた……。
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