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『魔術? そんなことより筋肉だ!』
SS11 必殺!
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 なんとかとバカは、高いところが好き…。
「まさにその通りね。」
 凛と士郎は、慎二が次に狙うであろう場所。
 高層建造物が集まる、学校以上に人が集まる地域に来た。
「…いる。」
 士郎は、その中の一番高い建造物の屋上に慎二がいるのを見つけた。
 士郎は、ギリッと拳を握りしめた。
「気をつけなさい。桜を人質に取られてる。ここで冷静に対処しないと…。」
「分かってる…。」
 士郎の声が僅かに震えていた。
 それが怒りによるものなのか、桜を失うかもしれない恐怖によるもんのかは分からない。
 だが、このまま行かせれば、慎二もライダーも無事では済まないだろう。
「シロウ。落ち着いてください。」
 セイバーが言った。
「……筋…。」
「シロウ。」
「三角筋、小円筋、大円筋、ヒラメ筋、上腕筋、上腕二頭筋大胸筋、上腕三頭筋、円回筋、烏口腕筋、棘上筋、棘下筋、棘腕筋…。」
 ブツブツっと、あらゆる筋肉の種類を念仏のように呟く士郎。
「し、シロウ?」
「あー、だいじょうぶよ。これ、士郎が精神を落ち着かせるときにいっつもやってることだから。」
「そうなのですか?」
「フーーー…。」
 精神を落ち着かせた士郎が息を深く吐いた。
「じゃあ、行くか。」
「そうね。」
「…! 来ます!」
 その時、高所からライダーが飛び降りてきた。
「士郎! 行きなさい!」
「遠坂、セイバー!」
「慎二さえなんとかすれば勝ちよ! ライダーは私達で足止めするわ!」
「…分かった。貸し、二つだからな。」
「分かってるわよ。いちいちうるさいわね。」
 そう言い合ってから、士郎は慎二がいるビルに入って行った。
 ライダーが飛び降り、鎖の付いた短剣を無数飛ばしてきた。





***





「慎二!」
「やあ、衛宮。遅かったな。」
「桜!」
「安心しろよ。まだ生きてる。」
 慎二の傍には、意識のない桜が寝かされていた。
 その首筋に、二つ、まるで吸血鬼にでも噛まれたような歯形が付いていた。
「慎二ぃぃ!!」
「死ねぇ!」
 慎二が偽臣の書を取り出して開き、黒いかまいたちのようなモノを飛ばした。
「僕は、聖杯を手に入れる! そして、僕の本来の力を手に入れるんだ!」
「それがお前の願いか?」
 士郎は、筋肉を膨張させずに黒いかまいたちのようなモノを受けながら言った。
「そうさ! 間桐の家は魔術の家系だった! だけど、父さんの代でそれが絶たれてしまった…。だから僕は、本来僕の物であったはずの力を手に入れる! 僕はそのためにも聖杯を使い魔術師になるんだ!」
「それは、間桐の意思か? それともお前の意思か
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