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『魔術? そんなことより筋肉だ!』
SS10 慎二の愚行
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どうした? さっきの威勢はどうした? この程度の痛み…男なら耐えろよ。」
「じぬ…、じじじじ、ししし、死ぬ…!」
「シンジ!」
「隙を見せるな。」
「くっ!」
 悲鳴を上げる慎二に気を取られたライダーの足を、アーチャーが切りつけた。
 ライダーは、後方に跳び、そして、目を覆っていたベルトのような封じを外した。
「魔眼!? 士郎!」
「ん?」
「見ちゃダメ!」
「私を見なさい。」
「……。」
「? なぜ…効かない?」
 士郎は、慎二を掴んだまま振り向く。そしてライダーの顔を見たが、まるで影響を受けていなかった。
「気をつけて! そいつの目は、石化の魔眼よ!」
「まがん?」
「そう、私は、メドゥーサ。呪われし、眼を持つ者。ゆえに、この目で見たモノすべては、石となる。…………………………はずなのですがね。」
「そりゃ、目も鍛えているからな。」
「…諦めなさい、ライダー…。ソイツ…目の筋肉も非常識だから…。」
 凛は、石化の魔眼に抵抗しながら、泣きたくなりながらそう言ったのだった。
「仕方ありませんね…。ならば…。」
 するとライダーが短剣を手にして、そして…自らの首に刺した。
 大量の血があふれ出て、その血が宙に浮き、魔方陣が描かれる。
「士郎! マズい! 避けて!」
「!」
 士郎は、慎二を離し、フェンスの端に投げて避難させた。その直後、魔方陣の中心から巨大な眼球のような力の塊が放出された。
 士郎はそれを胴体で受け止めたが、屋上の床をめくれ上がらせながら、後ろに後退させられ、やがて軌道が上へとそれて、目玉は空の彼方へ飛んでいき、士郎は後ろへ飛ばされて倒れた。
「…ちきしょう。防ぎきれなかった。」
「アレを身体で防ごうって方がおかしいのよ…。」
 アーチャーによって庇われた凛はとりあえずツッコミを入れた。
 士郎の胴体の中心は、目玉を受け止めた跡が僅かに残っていただけで大きな怪我はなかった。
 ライダーは、先ほどの目玉を発射した隙に、慎二を拾って逃げたようだった。
 そして結界も、消えていた。
「なんとかなったわね。」
「桜を…迎えにいかなきゃ…。」
「無駄よ。」
「えっ?」
「きっと今頃、桜を運び出して場所を変えたでしょうね。」
「なっ…。」
「あんたが桜に固執していることは、イヤでも分かったでしょうから、向こうはなりふり構わず来るはずよ。例え、桜の命を盾にしてでもね。」
「!」
「いい? 学校の魂食いに失敗した今、次に魂食いをさせる場所は限られているわ。そこを目指せばいいのよ。」
「……ああ。」
「それより、怪我は? まあ…あんたならなんともないでしょうけど。念のためよ。」
「この程度
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