SS10 慎二の愚行
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
教室を飛び出した士郎は、凛と合流した。
「ええ、分かってるわ!」
「屋上だ!」
「分かったわ!」
二人は屋上へ急いだ。
そして、屋上の扉を開けた。
「ハハハハ…、遅いじゃないか。」
「慎二!!」
士郎が怒りを露わにする。
慎二は一瞬、士郎の睨みと迫力にたじろくが、すぐに笑みを浮かべ直した。
「桜は、どこだ?」
「桜? ああ、あの絞りかすか。残念だったな、ここにはいないぞ?」
「桜を…返せ。」
「っ…、桜、桜、桜っておまえ…、他はどうでもいいのかよ! こうしてる間にもどんどん溶けていってるんだぞ!? もしかしたらもう誰か死んだかもな!」
「慎二…。」
ユラリッと士郎が一歩前へ踏み出した。
それだけで、ズシンッという音が聞こえるような錯覚がし、慎二はヒュッと喉がなり、思わず一歩下がった。
「ら、ライダーー!!」
「はい。」
「どけ!」
ライダーが両の短剣を握り迫る。すると士郎が筋肉のリミッターを解除し膨張させた。
「その筋肉…、確かにすごいですが。だが所詮は見てくれだけの筋肉。私のスピードには…。グハッ!」
「ライダー!?」
ライダーが、士郎の腕になぎ払われ、屋上のフェンスに衝突した。
「慎二……。」
「はっ…、え、衛宮…。ら、ららら、ライダー! は、早くしろ! コイツを殺せ!!」
ズンズンと慎二に迫ってくる士郎に、怯えきった慎二が必死にライダーを呼んだ。
「させると思ってるの?」
「ハッ!」
「アーチャー!」
フェンスから起き上がり、飛びかかろうとしたライダーと双剣を手にしたアーチャーが衝突した。
「あ、ああ、あああぁぁぁぁ…。」
「士郎。殺さない程度にね。」
「分かってる。桜の居場所を吐かさないとな。」
「さ、桜は…、間桐の家だ! そこの地下にいる!」
「…本当か?」
「本当だ! 本当だから…! だから、許してくれ! 頼む…、頼むよぉ!」
慎二が両手を組んで拝み倒すように頭を下げてきた。
士郎が止まる。
「……フッ、隙だらけだぞ!」
「!」
次の瞬間、パシンッと音を立てて、黒いかまいたちのようなモノが慎二の周囲に発生し、士郎を襲った。
黒い煙が舞う。
「は、ハハハハ! 僕のか…。っ!?」
だが煙の中から、士郎の手が伸び、慎二の顔を掴んだ。
「ぎゃあああああああああああああ!!」
ギリギリメリメリと、指が少し食い込み、アイアンクローによる激痛が慎二を襲い、慎二は、必死に士郎の腕をタップした。
「慎二…。誰かを殺す覚悟があるのなら…、殺される覚悟もあるんだろうな?」
「ひぎゃああああああああああああ!」
「おら?
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ