SS10 慎二の愚行
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ーん…、さては士郎の手助けをしたいって思い直しはじめてるわね?」
「っ…。」
「だったら、なおさらライダーが必要じゃない?」
「……うん。」
「桜、おまえ…。」
「先輩…。私、私なりに先輩と肩を並べられるよう頑張りたいです! それに、私が勝っても、聖杯を先輩に渡せるし…。そしたら先輩の会いたい人に会える確率もグッと上がると思うんです。」
「……そっか。」
「では、決まりですね。」
「ああ。ライダーを取り返すぞ!」
目標は決まった。
***
翌朝、いつも通り登校する。
下手に妙な動きをすれば、こちらのことを悟られかねないので…、相手が本物の魔術師でなくても油断はできない。
しかし、やるべきことはやる。
「ここだ。」
「さすが、早いわね。」
士郎が学校の周囲に付けられた、ライダーの結界の仕掛けを見つけて、それを凛が破壊した。
「あー、もう何個あるのよ…、面倒くさいわね。」
「面倒くさがるなよ。これで、せめて学校内であの結界を使われないための予防になるんだから。」
「分かってるわよ。」
「あ、向こうにもある。」
「待って!」
次の仕掛けを見つけて足早に進む士郎を、凛が追いかけた。
「ちっ!」
二人が去った後、慎二が、壊された魔方陣を踏みつけて舌打ちをした。
「ここもかよ! クソ! おい、ライダー!」
すると、ライダーが現れた。
「これ、どいうことなわけ!? おまえの魔方陣ってさあ、あんな奴らに消されちゃう程度のもんなのか!?」
「……彼らの魔術は中々に強力です。特にあのアーチャーのマスター…。魔方陣の消去は防ぎようがありません。」
「ふん! たいしたことないんだな、サーヴァントってのもさ。」
「ですが、それでも結界発動のためには、魔力は着実に集めています。あと4,5日もすれば完全に準備は整います。」
「はあ! 4,5日だって!? ふざけんのかお前! それじゃあ、あいつらに先を越されるじゃないか!」
慎二はライダーを殴った。
「…兄さん?」
「っ…桜か。いや…待てよ…。」
「兄さん…。お願いがあります。」
「なんだ?」
「こんなこと…やめて。」
「はっ? 何言うかと思えばそんなことか? お前、見てたのか? なあ、ライダー。見られたからには口封じしないといけないよなぁ?」
「っ…。」
先ほどまでずっと冷静だったライダーが僅かにためらいを見せた。
「兄さん…?」
「悪いな。桜。お前にはまだ利用価値がありそうだ。」
「……申し訳ありません。桜。」
「あ…!」
次の瞬間、桜の後ろに回り込んだライダーが桜に当て身を
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