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『魔術? そんなことより筋肉だ!』
SS6 士郎と壊れた日常
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廊下を歩いてると凛に会ったのでいつも通り挨拶をした。
 だが凛は、キッと睨んできただけでそのまま踵を返し、去って行った。
「俺なんかしたっけ?」
 心当たりない士郎だった。
「あっ。」
 すぐに思い当たったのが、聖杯戦争のことだ。
 言峰綺礼からは、お互いに敵同士だと言われた。凛も凛で、聖杯を求めているのだ。士郎が聖杯を求めているように…。だから馴れ合う気はないのだろう。
「それはそれで寂しいな…。」
 いつもの日常と思っていた日常も、裏で行われていることのせいで変わってしまった。それが酷く寂しかった。
 すると、そこへ。

「やあ、衛宮。」

「なんだ、慎二か。おはよう。」
「おはよう。やれやれ、君は暇でいいね。」
 間桐慎二。桜の兄である。
 っと言っても血は繋がっていないらしい。
「弓道部なんだろ? 朝練は?」
「聞いてなかったのか? このところ頻発している殺人事件とかのせいで、部活動の時間が短縮されたんだよ。」
「そうなのか。」
「なあ。今日も弓道場の掃除頼むよ。いいだろ? どうせお前の筋肉同好会という同好会、桜以外に誰もいないんだし…。」
「なあ、慎二。いい加減人を使わず自分でやれよな?」
「なんだよ? 友達の頼みが聞けないってのか?」
「いや、基礎からちゃんとできない奴がさ…。上にいけるわけないだろって思って。」
「なっ!」
「副部長になれなかったんだろ? ちゃんと基礎をだな…。」
「う、うるさい!! お前、部外者のくせに言うんじゃない!」
「じゃあ、自分で掃除やれよ。」
「あっ、おい!」
 士郎は、チャイムが鳴ったので教室に入っていった。
 残された慎二は、舌打ちした。





***





 そして、放課後。
「はあ〜〜〜。」
「先輩。気を落とさないでください。」
「桜…。お前だけだ…、俺のことをこんなに想ってくれるのは…。」
「そんな…だ、だって…私は…。」
「嫌な顔せず、この同好会のマネージャーやってくれるなんて、こんな良い子、他にいないぜ?」
「周りの人が先輩の良さを分かっていないんですよ。きっと。」
「こんな筋肉バカって言われている俺に付き合ってくれるなんて…、俺は幸せ者だ。」
「先輩…。」
「桜…。」

「あーーーー! はいはい、今日も絶好調ね、この筋肉バカ!!」
 士郎と桜の顔が近づいた直後、ドカーンっと、空き教室の戸が開かれて、凛が入って来た。
「おう、遠坂。まだいたのか?」
「それはこっちの台詞よ! あんたらも早く帰りなさいよ。」
「そうだな。桜、帰ろうか。」
「はい、先輩。」
「ちょっと、待ちなさい。士郎をちょっと借
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