SS6 士郎と壊れた日常
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「おらぁ、行くぜ坊主!」
「えい。」
「ゴヘ!?」
ランサーが、士郎のデコピン一発で吹っ飛んでバウンドして倒れた。
ぷしゅ〜っという感じで、額から煙を出して白目を剥いて倒れているランサー。
「もう、お前の動きは見切ったっての。これで三回目だぞ? いい加減諦めろよな。」
「三回も…?」
「ああ、コレ(デコピン)で。」
ランサーが倒れたので筋肉を収縮させながら、士郎は自分の指をセイバーに見せた。
「…普通の人間なら死んでますよ。この指力は…。」
「そうだな。ランサーって、英霊だろ?」
「そうですが…。しかしこの力で何度もやられてなおシロウに挑むとは…。」
「けど、ランサーにしてもアーチャーにしても、英霊って、あんなやせっぽちばっかなのか? バーサーカーが特殊だったのか?」
「! シロウ…、確かに私は女の身です…。ですが…。」
「あ、すまん。傷つけるつもりはなかったんだ。ごめん。」
英霊が貧弱だと言われ、ショックを受けたセイバーがチワワみたいにプルプル震えながら言うので、士郎は慌てて謝った。
「先輩。おはようございます。」
「おう、おはよう。桜。」
「あれ? 先輩その人…。それに…そこで倒れてる人…。」
「あーあー、気にすんな。倒れてる方は放っておいていいからな。」
「いいんですか?」
「いいんだよ。」
「先輩がそういうなら…。」
「あの、シロウ…。」
「あ、セイバー、紹介するよ。俺の恋人の桜だ。」
「ま、間桐桜です。」
士郎の紹介を受け、セイバーに向けて桜が慌てて背筋を伸ばしペコリッと頭を下げた。
「初めまして。セイバーとお呼びください。」
「せいばー…さん?」
「ああ、ちょっと色々とあってな。」
「……先輩。」
「だいじょうぶだ、桜。俺はだいじょうぶだから。」
そう言って微笑みを浮かべた士郎は、桜の頭を撫でた。
桜は何か言いかけ、思い詰めたように黙った。
「桜?」
「あ…、な、なんでもないです。それより、遅刻するので早く行きましょう。」
「ああ、そうだな。セイバー行ってくるよ。」
「あの、本当に護衛は必要ないのですか?」
「お前、霊体化できないんだろ? 甲冑姿で来ても悪目立ちするだけだし、来ちゃダメだ。」
「…分かりました。」
セイバーは、納得できない顔をしていたが、仕方がないという風にそう言ったのだった。
***
学校に行く。教室に入ると、いつもの日常だ。
今、冬木市を舞台に聖杯戦争なる非現実的な戦いが行われているを誰も知らない。一部を抜いて……。
「よお、遠坂、おはよう。」
鞄を机に置いてから、
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