暁 〜小説投稿サイト〜
『魔術? そんなことより筋肉だ!』
SS5 イリヤちゃんとバーサーカーさん
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ま右手の拳がバーサーカーの顔にめり込み、吹っ飛んでいった。
「ば…、バーサーカー!!」
「っっ、てぇーー、ちょっと切れた。斬れ味悪くないんだな、見た目に反して。」
「ちょっと切れただけですまないわよ、普通は!!」
 プラプラとちょっと表面が切れて、流血している右手をプラプラさせる士郎に、凛がツッコミを入れた。
 少し間を置いて、バーサーカーがムクリッと起き上がった。それと同時に根元近くまで砕けていた斧剣が元通りに治った。
「あれ? なんで直るんだ?」
「あれは、おそらく宝具です!」
「あー、なるほど、セイバーの剣と同じか。どうりで、斬れ味半端ないわけだ。」
「いやいやいやいや! その斬れ味で、ちょっとだけの怪我ですませてる、あんたがおかしいのよ!!」
「シロウ! 下がってください! ここは私が!」
「いいや! これは、俺の挑戦なんだ! おまえが下がれ、セイバー!」
「うっ…。」
 その瞬間令呪が発動してしまい、セイバーが後ろへ飛び退いた。
 士郎は、セイバーが下がるやいなや、再び突撃してきたバーサーカーと衝突した。
「おおおおおおおおおお!!」
 バーサーカーが斧剣を捨て、素手で士郎とやり合う。大きさの違う拳がぶつかり、時に殴り、殴り返し、いつ終わるか分からない喧嘩だった。
「すごい…、すごい、すごいすごーい! お兄ちゃん、すごいんだね! 私のバーサーカーと真っ正面から戦えるなんて! …気が変わったわ。バーサーカー。引きましょう。」
「えっ? あ、ちょっ、ま…。」
 バーサーカーが急に止まり、イリヤの傍に行ってイリヤを抱き上げた。
「お兄ちゃんのこと見直した! だから、殺さないでいてあげる。また、次会おうね!」
「待てよ! まだ勝負は!」
「ごめんね…。さっき連絡が入ったの。帰ってきなさいって…。だから本当にごめんね。」
「…次…、また戦ってくれるのか?」
「もちろんよ。バーサーカーもいいよね?」
 イリヤが聞くと、バーサーカーは、静かに頷いた。
「ありがとう、バーサーカー!」
「じゃあね、お兄ちゃん。」
 士郎は、バーサーカーにお礼を言い、イリヤはバーサーカーと共に去って行った。
 そして静寂がおとずれた。
「信じらんない……。」
「なにが?」
「真っ向からバーサーカーとかち合うなんて……、あんたいよいよ人間止めたわね…。」
「俺は人間だぜ?」
「あーーーー! もう! あんたに常識を求めた私が悪かったわ! この非常識筋肉!! あとついでに貴重令呪も使っちゃって……。もう!」
「はっ?」
「右手見なさいよ! 甲の方を!」
「あ…、ちょっと消えてる。」
「いい? 令呪は、三回までサーヴァントを絶対服従させられる
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ