兄妹なのか友情なのか
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を重ねて、表では善良でも裏では外道な輩を潰し、魔術師として再起不能にした後、魔術刻印を摘出し協会に売り捌いているだけなのだが。そこら辺をダイジェストではしょられるとただの無慈悲な殺戮者に見られかねない。
実際に手に掛けたのは、魔術刻印を失い、魔術回路を失っても、あらゆる手を尽くして魔道を邁進する者のみだ。それ以外は生かしているし、日常生活ならなんの問題もないようにしている。
もし俺の懸念が正しければ、怖がられても仕方がないとしか言えない……!
「それと魔術師狩りが苛烈過ぎるぞ。あれでは幼子には距離を取られてしまっても仕方がない」
頭を抱える。相手が野良の魔術師であれば、無差別に殺し回る無慈悲な男だと思われた可能性が極めて高い。レオナルドは天才だ、有史以来並ぶ者は指の数で足りるほどの。子供も視聴するという観点から、そうした方面への気遣いも出来る奴だ。内面も才能の高さ、好奇心と向上心と行動力の全てが比例した稀有な善人である。
が、どうにも職人肌というか、芸術家肌というか。それらが疼くと羽目を外してしまう傾向がある。悪い面が出たのかもしれない。
俺がイリヤ達に怖がられる理由が最初、分からなかったのは、レオナルドなら大丈夫だと思っていたからなのだが。思わぬところで駄目な側面が顔を出したらしい。
「……いや、いいか」
俺は怖い奴だと思ってもらった方がいいのかもしれない。そうしたら妙な気を起こさず、大人しくしてくれるだろう。
カレイドルビーだけは不安材料だが、何、命の掛かっている状況で――それも子供の――ふざけた真似は仕出かさないはずだ。少なくとも致命的な事だけは。愉快型の糞ステッキとは遠坂の言だが、流石に締めるべき箇所は弁えているはず。
「なんとかしようと思っていたが、俺は彼女達に嫌われているぐらいが丁度いい。よくよく考えてみたらレオナルドが考えなしな行動をする訳がないしな。あのイリヤ達は無関係な子供、巻き込まないように大人しくさせるため、俺を利用したんだろう」
せめて一言ぐらい断りを入れてもらいたいものだが、まあ些細なことだ。
俺が一人納得していると、ネロは不満げに腕を組む。
「我が友が幼子に嫌われているのは面白くない。余に任せよ、きっとすぐに『お兄ちゃんの事しゅき。はーと』と言わせてみせよう!」
「やめろ。やめろ」
矢鱈と黄色い声でお兄ちゃん発言はやめて頂きたい。ネロにお兄ちゃんと呼んでもらいたくなるではないか。倒錯的な感じがして実にイイ。
アタランテはなんとも言い難げに唸る。子供を慈しむゆえか、イリヤ達を危険から遠ざけたいと感じているらしく、ネロに意見した。
「そうはいうが、マスター。事実あの娘達を深く関わらせない方がいいのは確かだぞ。例え実戦の経験があろうと、聞く限
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