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人理を守れ、エミヤさん!
兄妹なのか友情なのか
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「流石はネロ、手が早い。同性すらお構いなしなのか?」
「何を言う! 余はどっちもイケる口なだけだ。愛さえあれば問題はなかろう?」
「問題はないがアタランテはいいのか?」
「愛はない。しかし子供のワガママだ、添い寝してあやしてやるのもサーヴァントの務めだろう」
「余を子供扱いするな! ほれ、こんなにも立派ではないか!」

 こんなにも、と自身の胸を示すネロに、俺とアタランテは苦笑した。
 振る舞いに邪気がなく、自信満々なところが幼さを感じさせるのだ。だからアタランテも邪険にしないし、寧ろ愛おしさを感じているのかもしれない。グラスを掲げて軽く乾杯すると、俺はふと思い出して本題に入った。

「そう、子供だ。なあネロ、あとアタランテ。なんか俺、イリヤ達に怖がられてるみたいなんだ。初対面の時はそうでもなかったのに。心当たりはあるか?」
「それはあれであろう、昨夜の上映会が原因であるな」
「うん、私もそう思う」

 二人の相槌に、やはりかと頭を抱えた。
 何がいけなかったのかと真剣に悩んでしまう辺り、一般の感性が錆び付いているのかも。そこら辺、大事なものなので思い出しておかなければならない。

「なんでだ。別に俺、悪事なんかしてないぞ。怖がられる理由はないはずだぞ。理由が分かるなら教えてくれ」

 それは本気で言っているのかと白い目を向けてくるアタランテである。ネロは嘆息した。

「……いや、言っては悪いが、幼子にそなたの経歴は壮絶に過ぎよう? 怖がられる程度でよかったと思うぞ」
「女関係が奔放なのも問題だな。私は気にしないが流石にあのような無垢な娘にとって、平行世界の自分が慕っていた兄を拘束・監禁紛いの事をした光景は刺激が――」
「――レオナルドぉぉおお!!」

 編集しろって言っただろうが! なんでそこを検閲しなかった!? 行為諸々を省いてもそれはアウトだろ!?

 芸術家として雑な仕事はしたくなかった、今は反省してる☆ なんて言ってるのが目に浮かぶ。
 許さん、絶対に許さん、奴にはダグザの大釜の使用厳禁令を発令し、今後チーズ絶食の刑に処さねばならない。俺の話術と築き上げた信頼とを全て行使して、カルデア職員の皆さんに根回ししてやる。あとマスターの立場も全力で利用しよう。百貌様に頼んで説得をしてもらえば、今のカルデアは断じてノーとは言わないはずだ。

 というかそんな感じだと、ハリウッド映画並みにマイルドにしてると思っていた予想が外れていそうだ。まさかとは思うが……え? グロ修正をしてダイジェストにした程度だったりするのか?
 言いたくないが、死徒殲滅はともかくとして。在野のはぐれ魔術師狩りは、一見すると罪もない人を魔女狩りの如くに断罪する異端審問官に見える。疑わしきは罰する姿勢に見えるのだ。
 綿密な調査
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