第6章:束の間の期間
第195話「合間の出来事・後」
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違いがない展開があった場合に……な』
「『乖離した分、その展開で犠牲になる人が見逃せないのか?』」
帝が上手く言葉にしようと絞り出すように言う。
その言葉だけで優輝は何となく理解し、尋ねる。
『……よくわかったな。まぁ、その通りだ。詳しい時期は忘れてしまったが、フェイトに保護されるはずの二人がいて、その二人がどうなってるか気になってな』
「『“原作”とは異なった道筋を歩んでいるから、フェイトがその二人を保護していない、もしくは保護しないかもしれないって事か』」
『そういう事だ』
保護される二人……それはsts編でのレギュラーメンバーであるエリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエの事だ。
地球から遠く離れた場所での出来事なため、展開に大した影響もない。
そのために、フェイトの行動の変化でどうなったのかもわからなかった。
「『直接聞く……のは不自然だな。……はやて辺りが知ってたらいいんだが』」
『確か、はやてには転生とかについて話していたな。それと、“原作”についてはともかく、転生自体はアリシア達も知ってたな』
「『はやてが知っていたら楽だが、知らなかった場合はアリシアに事情を話して聞く方がいいかもな。フェイトの姉だし、何かしら聞いているだろう』」
家族であれば、食事時などで自然と話しているかもしれない。
そう考え、いざと言う時はアリシアにも“原作”の事を話すべきだと優輝は言った。
『……そうだな。じゃ、まずははやてから聞いておくわ。アリシアの方もその時は俺から話す。俺が気にした事だからな』
「『わかった』」
そう言って、帝は通信を切った。
今の優輝からすれば、そこまで気にする必要はない。
そのため、帝は優輝の耳に入れておく程度に終わらせ、自分で調べる事にした。
「……念話は終わった?」
「ああ」
念話が終わったのを見計らい、先に報告を終わらせていた椿が話しかける。
「……それにしても、まだ目覚めないわね……」
「やっぱり、あんな状態で現れたんだし、呪いみたいなの掛かってるんじゃないかな?」
ちらりと椿が客室の方に視線を向ける。
そこには未だに神の二人が眠っている。
葬儀から帰ってきても、何も変わらずに眠り続けているのだ。
「でも、調べる事すらできない」
「そこが問題ね。干渉出来ないのは、本当に面倒ね」
存在の“格”。その問題が非常に深刻だった。
これさえなければ、一歩どころか何歩も進展させる事が出来る程に。
「……リヒト」
「却下よ」
〈却下です〉
一考してからリヒトの名を呼ぶ優輝。
それだけで椿とリヒトが即座に却下した。
「まだ何も言っていない
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