第6章:束の間の期間
第195話「合間の出来事・後」
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の有名人だ」
椿も葵も管理局の内情にはそこまで詳しくない。
そのために優輝がついでに解説するように補足する。
「……悪く言われて悔しく思ったのは変わりません。でも、兄が頑張った事をしっかり認めてもらえて……兄の死は、決して無駄じゃなかったんだって……!」
「ティアナ……」
ショックだったのは間違いない。
だが、直後に救われたのも間違いないのだ。
自分の兄は最期まで……いや、死んでも誰かのためになったのだと。
ティアナは兄を誇りに思って、その死と向き合えるようになった。
「付き添い、ありがとうございました。……これから、どうなっていくかは分かりませんけど、きっと、兄のように誇りに思える人になってみせます……!」
家に着き、ここで優輝達の付き添いとしての役目は終わる。
別れる際、ティアナは改まって優輝達に向き直り、力強く宣言した。
「……うん、その意気だよ!」
「辛くなったら、周りを頼るのよ」
その意志が伝わったのか、椿と葵が激励を送る。
優輝もまた、一歩近寄り、言葉を掛ける。
「“ランスターの弾丸に貫けないものなんてない”。……君の兄が遺した言葉だ。その事も忘れず、これからも頑張ってくれ」
「……はいっ!」
その会話を最後に、優輝達とティアナは別れる。
その時のティアナの表情に、悲しみはなかった。
『葬儀って聞いてたが、なるほど、そういや“原作”にもあったな』
「『そうなのか?』」
地球に帰還し、一応の報告をしていた優輝達。
分担してそれぞれに連絡する中、優輝は帝と念話をしていた。
『ああ。そういや、お前は知ってても詳しくはなかったな。俺も忘れてきてるが……確か、“原作”だとティアナはそいつの言葉で傷ついて、コンプレックスになってた』
「『だけど、そうならなかった』」
『元々死ぬ時期もずれていたっぽいし、他の局員と一緒の葬儀でもあったからな。それに、実際とんでもない布石を残したのは偉業とも言えるしな』
“原作”とは違う部分を、適当な推察を交えながら話す。
『……しかし、このままだとstsの時期にどうなるか……』
「『既にかなり乖離している。参考にすらならんぞ』」
『だよなぁ……いや、それは分かってるんだがな……』
歯切れが悪い帝。優輝としては今の帝は“原作”に執着していないと分かっており、だからこそここまで気にしている事が気になった。
「『何か気になる事が?』」
『……俺達の行動の影響や、実際の状況が違うとかで“原作”とかけ離れているのは分かってる。でも、その中で俺達の影響を受けていなくて、尚且つ“原作”とそう
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