第6章:束の間の期間
第195話「合間の出来事・後」
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人”も認めています。その上で異論を言うのならいいでしょう」
“他の二人”。それはミゼット含めた伝説の三提督の残り二人の事だ。
法務顧問相談役レオーネ・フィルス、武装隊栄誉元帥ラルゴ・キール。
名前を挙げずとも、ほぼ全ての者がその二人の事だと理解していた。
そして、異論を言うという事は、ミゼット含めた三人と対立を意味する。
……伝説と呼ばれた三人と敵対する程、男に度胸などない。
「……ぅ……ぁ……」
「……そもそも、遺族のいる場で、亡くなった方を侮辱するなど、管理局員以前に人としての品位が問われます。……覚悟、しておいてくださいね?」
怒りやそう言った感情を見せる事なく微笑むミゼット。
だが、その言葉を言われた当の本人は、まるで死刑宣告を受けたかのように、絶望を宿した顔を蒼白させていた。
「では、私はこれで失礼します」
ミゼットはそのまま、丁寧な態度を崩さず、この場を後にした。
残ったのは、絶望して体を震わせる男と、呆然とする者だけだった。
「……上手く収めて行ってくれたわね」
「そうだね。……正直、あたし達じゃ強引な手でしか黙らせなかったかも」
優輝達はその間に移動し、そこで先ほどの事について述べた。
なお、葵の言う強引な手とは、殺気などを使った手法だったりする。
「私も動こうとしたから人の事言えないけど、だいぶ首を突っ込むようになったわね、葵。優輝の影響かしら?」
「かもねー。でも、あれは誰だって反応するよ」
軽口を交わしながら、ティアナの家へと向かう。
尤も、徒歩では遠い場所での葬儀だったため、交通機関が必要だが。
「……さっきからティアナが無言だが……」
「えっ、あ、すみません……」
小太りの男の発言以来、無言になっていたティアナ。
ずっと何かを考えていたようで、優輝の言葉でようやく発言した。
「……やっぱり、あいつに言われた事が辛い?」
「あ、えっと……」
葵の言う“あいつ”とは、もちろん小太りのの男の事だ。
ミゼットが場を収めたとはいえ、確かにティーダの事を悪く言われた。
その事で深く傷ついているのではないかと、葵は思ったのだ。
「……確かに、兄の事を悪く言われたのは辛いです。兄は、死ぬ思いをしてまで戦ったのに、あんな言い方をされるなんて……」
ただでさえ家族として大好きで、両親がいない今では唯一の家族なのだ。
そんな兄を悪く言われれば、ショックなのは当然だ。
「……でも、それ以上にさっきのあの人が言った事に、ホッとしたんです」
「さっきの人って言うと……」
「本局統幕議長ミゼット・クローベル提督だな。管理局員であれば、知らない人はいないと言えるほど
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