ばいと
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のテーブルに呼ばれて向かう。
「おやベル様」
「久しぶりだねベル君」
「リリ…とヘスティア様」
向かったテーブルには四人の女性が座っていた。
リリとヘスティアの他にもう一人。
燃えるような赤い髪と眼帯の女。
「ヘファイストス様でしょうか?」
「あら名乗ってはいないはずだけれどよくわかったわね」
「団長から話はきいています。そちらは椿様ですね?」
ヘファイストスの隣に座る褐色に黒髪、眼帯の美女。
「うむ手前が椿だ。ところで坊(ぼん)なぜこっちを見ぬ」
「いえ…その…」
「なんじゃこの店は客の顔も見ぬのか」
「やめなさい椿」
見かねたヘファイストスが椿を止めた。
「っはっはっは! すまんすまん坊が可愛かったゆえ、ついな」
椿の格好は下は赤い袴、上はサラシを巻いてその上から着物のような物を羽織っているだけだ。
褐色の胸の谷間がチラチラと見えている。
ベルは視線をそちらに向けないようにしていた。
「愛い(うい)いのぅ」
「はぁ…ご注文は」
「手前は2ポンドステーキをもらおう」
「そうね…適当な大皿料理と取り皿をお願い。ヘスティア達もそれでいいでしょう?」
「ボクはいいよ」
「わたしもかまいません」
「お飲み物はどうされますか?」
ベルがヘファイストスに尋ねる。
「ウォトカとワインとクヴァースを二つお願いするわ兎さん」
「かしこまりました」
その日豊饒の女主人は大盛況だった。
どこから聞き付けたのか、物好きな神が多く来店したのだ。
「リヴェリアちゃんの隠し子が居ると聞いて!」
「ヴァナルガンドのツバメがいると聞いて!」
「ロキの玩具を見に来た!」
「剣姫のペットはどこ!?」
と、まぁ店に入りもせずにいる神々だったが…
「店の前で騒ぐなアホンダラァァァッッ!」
ミアの一喝で散って行った。
「お疲れ様でしたベルさん」
「いえ、いい経験になりました」
1日の仕事が終わり、ベルが帰る時間となった。
すでに夜中の1時だ。
「これ、ミアお母さんから。今日のお給金だそうです」
「い、いえ! いただけませんよ! いきなり押し掛けて面倒見てもらったんですから!」
「そうですか?」
「は、はい」
「こまりましたねぇ」
そこでシルがポンと手を打った。
「ならいいものがありますよ」
「いいもの?」
シルが傍らにあった本を手に取る。
「ゴブリンにもわかる現代魔法?」
「はい、お客様が忘れていった物なんですけど、読まれますか? 明日は1日暇だと言っ
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