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提督はBarにいる。
金城提督によるヒアリング調査【表】
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「……さて、君はまだ着任して1年経っていなかったな」

「はっ、はい!」

 目の前には緊張気味の若い男。資料を見ると歳は24、とある。防衛大を卒業して、そのまま提督としてブルネイの警備府に赴任とある。実戦経験の殆ど無いお坊っちゃんだ。まぁ、赴任した鎮守府が特殊な場所ではあるから、そこまで実戦での経験を必要とはしていない所だからな。

「君の所は航空部隊の基地の防衛用の鎮守府だからな。海域の攻略というよりも、当該海域の防衛に力を入れているんだろう?それならこの数字は立派な物だ」

 着任からの半年間で、潜水艦の掃討数が300を超えている。対空・対潜に重きを置いている鎮守府と比べても、中々の数字だ。シーレーンの安全性向上の点から見ても、潜水艦を掃討するのは効果が高い。実戦での経験は少なくても、優秀な部類の提督だ。

「計上予算にも問題は無いようだし……何か困った事は無いかな?」

「困り事……ですか?」

「あぁ。俺もブルネイ地域の纏め役なんてやってるが、自分の鎮守府の事に目を配っていると他の鎮守府なんてとてもじゃないが面倒見きれなくてな。そこでこうして時々ウチに来てもらって話を聞いているのさ」

「成る程……」

「別に仕事上の悩みでなくてもいいぜ?こう見えてもお前さんよりは人生経験豊富だからな」

「なら、出来れば食糧の配給を増やして頂きたいのですが!」

「食糧の?そりゃまたなんで」

「ウチはブルネイ本島からも遠いですし、娯楽も少ないです。ですから、食事くらいは豪華な物を出してあげたいと常々思っておりまして、その……」

「成る程、だが航空基地の連中が優先で、ロクに物資がまわって来ないと」

「そうなんです……」

 しょげてしまう新米。まぁ、航空基地がメインの根拠地だとそっちが優先されてしまうから仕方の無い所はある。が、それでも尚何とかしてやりたいという姿勢には好感が持てる。

「なら、畑でも作ってみたらどうだ?」

「畑……ですか?」

「あぁ。外からの支給を望めないなら、自分達で作るという手段がある。実際ウチでもやってるし、航空基地が作られる位だ、土地は平坦で余ってんだろ?」

「いや、まぁ、それはそうですが……」

「それに土いじりは意外と気分転換になるぞ?農作業が嫌なら魚釣りで趣味と食料確保の実益を兼ねて……ってやり方もある」

「農作業……魚釣り」

「田舎の生活みたいだろ?」

「いえっ!そんな事は」

「ははは、まぁ実際WWUの時には日本軍は現地で食糧生産やってたって歴史もあるから、本部もダメとは言わんさ。大淀、山雲をガイドに付けて農場を見学さしてやれ」

「了解です」

「ウチの農場を見学して、どうするかは自分で判断しな。農作業の指
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