第59話 生誕祭 前編
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「よお、綺麗な姉ちゃん。一緒に飲まないか?」
「そ、そんな、困ります……」
「ルトガー殿……」
リィンとフィーはルトガーに会いにグランセル城の談話室にあるバーに向かった。そこで見たのはメイドの一人を口説こうとするルトガーの姿だった。
メイドの方は困っていると言いながら満更でもなさそうな表情をしており、隣にいたラウラは困った表情を浮かべている。
「団長、何しているのさ……」
「ん?おお、リィンじゃねえか。目を覚ましたみたいだな」
「リィン!?そなた、目を覚ましたのだな」
ルトガーはリィンを見ると大して驚いた様子も見せずにニヤッと笑った。
それと対照的にラウラはリィンを見つけると席を立ちあがり彼の元に歩いていくと手を握る。
「一週間も目を覚まさなかったからどうしようかと思ったぞ。でもそなたが無事に目を覚ましてくれて良かった」
「心配をかけてしまってすまなかったな、ラウラ」
「いいのだ。こうしてそなたが目を覚ましてくれたのだから……」
余程心配したのだろうか、ラウラはリィンの手を離そうともせずに話し続けていた。
「ラウラ、いつまでリィンと手を繋いでいるの?」
「えっ?……!?ッあわわ!」
フィーに指摘されたラウラは顔を赤く染めると慌ててリィンの手を離した。
「す、済まぬ!痛かったか?」
「大丈夫だよ。そんなに慌てないで」
「そうか、それなら良かった」
寧ろ美少女に手を握られたのだから嫌なはずもないだろう、とルトガーは一人思っていた。
「団長、フィーから話を聞いたよ。俺達の為に……あいたっ!?」
リィンはルトガーに声をかけようとしたが、突然彼の頭に鋭い痛みが走った。
「い、痛たたた……」
「親を心配させたらまずはごめんなさいだろう?話はそれからだ」
「ご、ごめんなさい……」
リィンは涙目でルトガーに謝罪する。それを聞いたルトガーはニヤッと笑うとリィンの頭をポンポンと撫で始めた。
「反省したか?」
「は、はい。今まで団長の元に戻らずに勝手な事をして本当にごめんなさい……」
まるで小さかった頃のように弱気になってしまったリィン、そんな彼にルトガーは苦笑しながら話の続きを言い出した。
「そんな顔をすんなって。自分で決めてやったんだろう?なら後悔をするな」
「うん……」
「まあそもそもの話、そこまで心配はしていなかったぞ」
「えっ!?」
リィンはその言葉を聞いてショックを受けた表情を浮かべたが、ルトガーは「最後まで話を聞けよ」と言ってリィンを見据える。
「お前ももう15歳になったんだ。てめぇの事はてめぇで決められる年
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