第59話 生誕祭 前編
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氣を上げるから体力も大幅に消耗してしまうので泰斗流の身体能力の操作と比べるとお粗末な物かも知れませんが」
フィーの戦場の叫びという単語に興味を示すジン、そんなジンにリィンは戦場の叫びについて説明する。
戦場の叫びは身体能力を飛躍的に上昇させるが、体力を大きく消耗してしまう諸刃の剣のような技だ。泰斗流の身体能力を操作する氣の扱いとは練度が違うだろう。
「できれば見せてもらいたいのだがここでは無理か?」
「すみません、正直上手く扱えていないのでこんな所では……それに明日にはリベールを立つつもりです」
「そうか、ならまた都合が出来たら俺の元に訪ねてくれ」
「こちらから言っておいてすみません、また改めて相談させていただきますね」
その後軽い食事をしたリィンとフィーは、ジンとグラッツにお礼を言い次に遊撃士協会のグランセル支部に向かった。
グラッツからそこにクルツがいると教えてもらったからだ。
「ようこそ、グランセル支部へ……おや、貴方方は……」
「初めまして、リィン・クラウゼルと言います」
「フィー・クラウゼル。よろしく」
「ご丁寧にどうもありがとうございます。私はこの支部を任されているエルナンと申します」
グランセル支部に入ったリィンとフィーは、エルナンに挨拶してクルツがいるか話を聞いた。
「クルツさんならついさっき街に向かわれましたよ」
「そうですか、タイミングが悪かったようですね……」
「何か伝えることが合ったのでしょうか?それならば戻ってきた時に話をしておきますが?」
「いえ、そこまで大ごとな事ではありませんから大丈夫です」
リィンは自分達の正体を隠していた事の謝罪とお世話になったお礼を言いたかったとエルナンに説明する。
できれば直接会ってお礼がしたかったのでリィンはエルナンの申し出を申し訳なさそうに断った。
「なるほど、貴方方は律義な方なんですね」
「いえ、これも性分なだけです。それにこちらも見逃してもらっているようなものですしせめてお礼だけでもと……」
「その気持ちだけで私達は嬉しく思います。事情があったとはいえ貴方達にも大変お世話になったのですからせめて今だけは心を軽くして生誕祭をお楽しみください」
「ありがとうございます」
猟兵と遊撃士という関係である以上、いつかお世話になった人たちと争わなければならない日が来るはずだ。でもそれを分かっていながらエルナンはリィンを気遣ってくれた。
そんなエルナンにリィンは素直に感謝してお礼を言う。
その後リィンとフィーはエルナンと別れて他のメンバーを探しに向かうのだった。
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