第59話 生誕祭 前編
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とリィンとフィーは思い知らされた。
(まあ俺達にはどうしようもないから、カシウスさんも身体を壊さない程度には頑張ってもらうしかないか)
カシウスと別れた後、リィンとフィーは世話になった人たちに挨拶をするために街を周ることにした。
最初にサニーベル・インに向かうとジンとグラッツが食事をしているのを発見した。
「皆さん、こんにちは」
「おお、リートにフィルじゃねえか!」
「目が覚めたみたいだな」
リィン達の姿を見つけたグラッツは嬉しそうに笑い声をかける。リィンは頭を下げながら彼らの元に行き自分たちの正体について話す。
「ずっと黙っていて申し訳ありませんでした。皆さんを騙す事をしてしまって……」
「ああ、その話か。事情はカシウスさんから聞いてるぜ。何でも情報部を探る為にスパイをしていたんだってな。そういう事情なら仕方ないさ」
(うん?どういう事だろう?)
スパイなどしていた覚えがないリィンとフィーだったが、ジンが小声で説明してくれた。
「カシウスさんが上手い事話を合わせておいたんだ。だからそれに合わせてくれ」
「そうだったんですか……」
どうやらカシウスは自分がリィン達を雇って情報部の動向を探らせていたと説明してくれたようだ。
リベール王国では猟兵を雇うのは禁止されているが、カシウスは国を救った英雄であったので、特別に例外として処置してもらえたそうだ。
その後は自分達の本当の名前を紹介して何気ない会話をしていた。
その中でジンがカシウスからの手紙によって出会った時から自分たちの正体に気が付いていた事、それを必死に隠そうとしていたリィンが可笑しかったなどと話してリィンは恥ずかしさで顔を真っ赤にしていた。
そして場の雰囲気が和んできた時にリィンはジンにある質問をした。
「あのジンさん、少しいいでしょうか?」
「なんだ?」
「泰斗流は確か氣を扱う技術に優れていましたよね?」
「まあ他の流派がどれ程の者かは知らないが、氣の捜査に関してはかなりのものだと自負している」
「氣を操る泰斗流の使い手であるジンさんに聞きたいことがあるんです」
リィンは自身の力についてジンに相談する。もしかしたらあの力は氣に関係しているのかもしれないと思ったのでその道のスペシャリストであるジンに相談したという訳だ。
「なるほど、泰斗流には氣を爆発的に高めて身体能力を上げる技術がある。一度その力っていうのを見てみないとはっきりとは言えないが、それだけのパワーアップをするのなら氣と関係があるかも知れないな」
「そういえばあの力って猟兵が使う戦場の叫び(ウォークライ)に似てるかも」
「ほう、噂に聞く猟兵の技術か」
「はい、まあ無理やり闘
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