第59話 生誕祭 前編
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は驚かないの?」
「義理とはいえ俺はお前の親だぞ?前からお前が何か隠し事をしているのは分かっていたさ。まあ無理に問い詰めてもお前は頑固だから話さないと思って様子は見ていたんだがな」
リィンはルトガーの様子を見て彼が驚かないことに疑問を持ったが、ルトガーは知っていたとあっけらかんに話す。
どうやらリィンはうまく隠せているつもりだったようだが、ルトガーからすればバレバレだったようだ。
「俺が必死で隠そうとしていたのは無駄だったって事か……」
「親に隠し事をしようなんざ百年早いんだよ」
「じゃあ団長はリィンが話さなかったらどうするつもりだったの?」
「最悪の場合は無理やりにでも猟兵を辞めさせてその力について調べるつもりだった。まあ結果的には自分から話したから少しは大人になれたみたいだな?いや、この場合はフィーの力が大きいか?」
落ち込むリィンをしり目にルトガーは豪快に笑う。
そこにフィーが仮にリィンが自身の中にある謎の力について話さない時はどうしようとしたのか彼に質問すると、ルトガーは最悪の場合は力ずくでリィンを抑えようとしていたと話した。
それを聞いて話して良かったと思うリィンだが、ふとルトガーが意味深な視線を自分とフィーに送っているのに気が付く。
「団長、その目は何だよ?」
「いや、お前らなんかあったのか?距離感が違うと言うかリィンの態度が前と違うんだよな。まるでフィーを意識しているみたいな視線を見せているし」
「えっ?いや別に何も……」
「どうなんだ、フィー?」
「ん、リィンに告白した」
「フィー!?」
リィンは誤魔化そうとしたが、フィーは軽い口調でそう話す。
まさかこんなにも早くカミングアウトされるとは思っていなかったリィンは、思わず大きな声を出してしまった。
「ほほう!遂にやったんだな、フィー!」
「そ、それはめでたい事だな……おめでとう、フィー」
ルトガーは嬉しそうに笑みを浮かべ、ラウラも少し複雑そうな表情を浮かべたがフィーに祝福の言葉を送った。
「でも返事は保留中」
「あん?どういう事だ?」
「リィンはまだ悩んでいるみたいだから、ちゃんと考えて答えを決めてもらいたかったの」
フィーの説明にルトガーとラウラはリィンに呆れた……という意味の籠った視線を送る。
「そ、そんな顔しないでくれよ!」
「いや、だってなぁ……自分の息子がこんなにもヘタレだと思うとやるせねえぜ」
「リィン、それは男らしくないのではないか?」
「うぅ……」
ルトガーとラウラの非難にリィンはタジタジになってしまう。
「今は俺の事についてだろう?その話はまた今度するよ!」
「誤魔化しやがった。まあいいや、確かに今
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