EX回:第70話<人々の想い>
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礼をした寛代は直ぐに、どこかへ返事をしていた。
「スマン」
その場を取り繕うようにブルネイ司令は帽子を深くかぶり直した。
彼は海上で、こちらの様子を見ていた潜水艦娘たちにも『ブルネイの泊地へ向かうように』と指示を出した。
「了解です」
不必要に明るく、おどけるように答える潜水艦娘たち。
(この娘たちは、何があっても変わらないんだろうな)
私は腕を組んだ。
さすがに疲れたのだろう。顔を水上に出しながら戻っていく彼女たちを見送りながら私は呟いた。
「海の中は地上とは別世界、ましてや夜だ……不安もあるだろう」
(敢えて陽気に振る舞っているのか……だから彼女たちの感覚までは責められまい)
そんな想いにとらわれた。
やがて川には、あちこちで巡視艇やタグボートやら内火艇が盛んに行き交い始めた。
寛代が技術参謀のような口調で受電した。
「二式大艇は、そのまま泊地の埠頭へ向かう」
私は頷いた。
続けて彼女。
「技術参謀より……先に戻る。龍田2号は私が診る、だって」
「そうか」
今度はブルネイ司令が返事をした。
「技術参謀も心配しているのか」
私は思わず呟いた。
「来ました、来まシタ!」
ブルネイの運転手さんが夜の川に向かって大きく手を振る。
ほどなくして私たちの居る桟橋の前に、軍用の内火艇が横付けされた。
以下魔除け
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